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2023 年度 実施状況報告書

イヌの腫瘍の長鎖ノンコーディングRNA標的療法の開発に向けた基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K06013
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

吉村 久志  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (70645241)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード長鎖ノンコーディングRNA
研究実績の概要

Metastasis-associated lung cancer transcript 1(MALAT1)は、ヒトの多くのがんの発生と発症に関与し、バイオマーカーや治療標的として機能していると報告されている長鎖ノンコーディングRNAである。一方でMALAT1が、がんの進行を抑制するとされる相反する報告も認められる。昨年度までの研究では、リアルタイムRT-PCRによってイヌの乳腺癌細胞株のいずれにおいてもMLAT1が非常に多く発現しているのを確認したが、その後の解析でイヌのMALAT1として登録されている塩基配列がMALAT1 Antisense RNA(TALAM1)であることが判明し、リアルタイムRT-PCRに用いたプローブはTALAM1とMALAT1の両方を検出する可能性が示された。TALAM1はがん形成の過程でMALAT1を制御しているともされる長鎖ノンコーディングRNAである。そこで、イヌのMALAT1とTALAM1にそれぞれ特異的なプローブを作製し、それらの組織上での局在をin situ hybridizationによって検討した。複数のイヌの正常乳腺および乳腺腫瘍において、MALAT1は様々な細胞種に発現が認められた。一方で、TALAM1については未だ染色条件の検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

イヌのMALAT1とTALAM1の発現レベルを別々に検出できるリアルタイムPT-PCRのプライマーの作製を試みたが難しいことが判明したため、in situ hybridizationのプローブを作製した。作製したプローブによりin situ hybridizationを行ったところ、MALAT1については容易に染色条件が設定できたが、TALAM1については未だ染色条件が設定できず研究の進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

イヌのTALAM1のin situ hybridizationについて、引き続き作製したプローブの染色条件の検討を行うが、別の配列のプローブも新たに設計して試す予定である。またMALAT1とTALAM1以外のイヌの長鎖ノンコーディングRNAについても検討を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部の標的のin situ hybridizationの染色条件の検討の遅れから次年度使用額が生じたが、次年度に実施する同実験において使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 新しい犬の乳腺腫瘍の国際組織分類ーSurgical Pathology of Tumors of Domestic Animals Volume 2よりー2024

    • 著者名/発表者名
      吉村久志
    • 雑誌名

      小動物腫瘍臨床 Joncol

      巻: 35 ページ: 90~102

  • [雑誌論文] Apocrine carcinoma-and-malignant myoepithelioma in a dog: a case of simultaneous malignant progression of both luminal epithelium and myoepithelium2023

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Kana、Kishimoto Takuya Evan、Yamamoto Masami、Michishita Masaki、Takahashi Kimimasa、Yoshimura Hisashi
    • 雑誌名

      Journal of Veterinary Diagnostic Investigation

      巻: 35 ページ: 789~794

    • DOI

      10.1177/10406387231202529

    • 査読あり
  • [学会発表] 新しい犬の乳腺腫瘍の分類~筋上皮関連腫瘍を中心として~2023

    • 著者名/発表者名
      吉村久志
    • 学会等名
      第28回日本獣医がん学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 犬と猫の乳腺腫瘍「筋上皮関連腫瘍について」2023

    • 著者名/発表者名
      吉村久志
    • 学会等名
      第26回獣医病院病理研究会研究集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 犬の乳腺腫瘍における長鎖ノンコーディングRNA H19 の発現の検討2023

    • 著者名/発表者名
      松本佳奈, 吉村久志, 山本昌美
    • 学会等名
      第32 回日本動物看護学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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