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2023 年度 実施状況報告書

増殖不全型ワクチンによるヘルペスウイルス性致死性脳炎予防法確立に向けた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K06024
研究機関岐阜大学

研究代表者

福士 秀人  岐阜大学, 応用生物科学部, 招へい教員 (10156763)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードワクチン / 致死性脳炎 / ウマヘルペスウイルス / 制限増殖型ウイルス
研究実績の概要

ウマヘルペスウイルス1型(EHV-1)は馬に呼吸器疾患,流産,ウマヘルペスウイルス性髄膜脳症を引き起こす.馬以外の感受性動物に感染すると致死性脳炎を引き起こすことが知られている.我々はこれまでにEHV-1のリポタンパク質UL11の脂質修飾がEHV-1増殖に必須であることを明らかにした.脂質修飾に必要なアミノ酸を改変したUL11G2AC7AC9A遺伝子を保有するEHV-1(EHV-1 UL11-279)はUL11発現細胞でのみ増殖する制限増殖型ウイルスである.本研究では,EHV-1 UL11-279の経鼻接種により,接種後2日目から致死性脳炎防御能を誘導することを見出した.UL11G2AC7AC9A遺伝子を保有するEHV-1(EHV-1 UL11-2791)をワクチンウイルスとして用いた.攻撃用ウイルスとしてEHV-1 94-137を用いた.感染モデルとしてCBA/NおよびC57BL/6Jを用いた.1群5匹のマウスを用いた.EHV-1 UL11-279 10^5pfu/40mcLを攻撃日の3(-3),2(-2),1(-1)日前に経鼻接種した.0日目の攻撃にはEHV-1 94-137を10^6pfu/20mcL経鼻接種した.毎日,体重および臨床症状を測定・観察した.攻撃後14日目まで観察した.CBA/NおよびC57BL/6Jいずれのマウスを宿主としても同様の結果が得られた.EHV-1 UL11-279を経鼻接種したマウスでは-3接種群は発症しなかった.-2接種群では5頭中1頭で一過性体重減少が見られた.-1接種群は攻撃対象群と同様に死亡個体が見られた.制限増殖型ウイルスワクチンを経鼻接種することにより、ワクチン接種後2日目から感染防御されることがわかった。集団発生の際に、緊急措置として本ウイルスを接種することにより感染拡大を制御できる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の計画である即効的感染防御付与能評価を実施できた.

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度として増殖制限型ウイルスががヘルペスウイルス性脳炎に対する感染防御能をマウスに付与するメカニ ズムを明らかにする予定である.

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公開日: 2024-12-25  

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