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2022 年度 実施状況報告書

細胞接着による肥満細胞のグルココルチコイド感受性調整メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22K06034
研究機関岡山理科大学

研究代表者

松田 彬  岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (90613969)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードグルココルチコイド / 細胞接着 / 肥満細胞 / 薬剤耐性 / イヌ
研究実績の概要

グルココルチコイドは古くから頻用されている薬剤であるが、重大な副作用のリスクを有するため、臨床現場では「グルココルチコイド感受性増強法」の開発が望まれている。肥満細胞はアレルギー疾患において中心的な役割を担う免疫担当細胞であり、病変組織に遊走・集積・増殖することは周知である。本研究は、肥満細胞において細胞接着によりグルココルチコイド感受性が制御されるかどうかを検証し、制御されるのであればその分子メカニズムを解明することを目的とする。
本年度はまず、さまざまな動物種由来の肥満細胞株を用いて、接着性の変化によってグルココルチコイド感受性が変化するかどうかを細胞増殖抑制試験によって検証した。イヌ肥満細胞株では接着性の変化によりグルココルチコイド感受性が変化することを確かめることができた。一方、ヒト、ラット、マウス由来の肥満細胞株では同様の現象は認められなかった。今後は実験条件を変更して再検証する予定である。
接着性の変化によるグルココルチコイド感受性の変化を確認できたイヌ肥満細胞株については、接着性の変化による遺伝子発現変化を次世代シーケンサーを用いたRNA-Seqにより解析を行った。その結果、各種インテグリンをはじめとする細胞接着関連分子の発現が変化していることが明らかとなった。今後はタンパクレベルでの発現変化を確認するとともに、機能阻害によってグルココルチコイド感受性との関連を検証していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、さまざまな動物種由来の肥満細胞株を用いてグルココルチコイド感受性の変化について検証を進められている。またイヌ肥満細胞株において、グルココルチコイド感受性の変化に関連している細胞接着分子の候補リストを作成することができた。

今後の研究の推進方策

次年度は、細胞接着を増強させるためにコラーゲンコート培養皿を、細胞接着を抑制するために細胞非接着性培養皿を使用することで、ヒト、ラット、マウス由来肥満細胞株のグルココルチコイド感受性の変化について再検証する。
候補分子がリストアップできたイヌ肥満細胞株では、タンパクレベルでの発現変化を確認するとともに、機能阻害した時にグルココルチコイド感受性を実際に変化させるかどうかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

イヌ肥満細胞株のエクソーム解析を年度内に外注したところ、納品が次年度となったため、その分の金額を次年度使用額とした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Variation in Diffusion Tensor Imaging Parameters in the Cervical and Thoracic Spinal Cord (C1-C5 and C6-T2) Segments of Normal Beagle Dogs2023

    • 著者名/発表者名
      Arai Kiyotaka、Itoi Takamasa、Akashi Natsuki、Miyabe Masahiro、Sugimoto Keisuke、Matsuda Akira、Maeta Noritaka、Kanda Teppei、Kutara Kenji
    • 雑誌名

      Veterinary Sciences

      巻: 10 ページ: 31~31

    • DOI

      10.3390/vetsci10010031

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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