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2022 年度 実施状況報告書

AMPDの結晶構造解析による反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06115
研究機関長崎大学

研究代表者

海野 英昭  長崎大学, 工学研究科, 准教授 (10452872)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードAMPD / 結晶構造解析
研究実績の概要

本研究は、Candidatus Promineofilum breve 由来ホスホトランスアンヒドロメバロン酸デカルボキシラーゼ(PbrAMPD)の結晶構造解析による反応機構の解明を目的とし、本年度は各種大腸菌を用いたPbrAMPDの発現条件および精製条件の最適化検討、およびその結晶化条件検討を実施した。
組換え型PbrAMPDの発現条件として種々条件検討の結果、大腸菌BL21(DE3)を用い、また培地はLBが最も適している事、発現誘導には20度が最も適している事を見出した。この発現誘導条件で得られたPbrAMPDの精製条件の種々検討を行ない、最適な溶液条件(リン酸バッファー(pH7.4)+0.3M NaCl + 5%Glycerol)を見出した。その溶液条件を用いた精製の結果、最終精製収量が結晶化を行うに十分量(10mg以上)を得る精製条件の確立に成功した。またその確立した精製条件により、以前の精製条件では見られたPbrAMPDの凝集が生じる事なく十分に安定した状態を維持していることを確認した。得られた精製PbrAMPDを用いて種々結晶化条件を検討した。その結果、この安定なPbrAMPDを用いることで今まで得られなかった板状のタンパク質結晶を複数の条件で得る事に成功した。前年度の発現・精製条件検討以前に得られていた結晶は針状結晶のみであった一方、本年度の発現・精製条件検討以降では初めて複数条件で板状結晶が得られた事から、この発現・精製条件検討による安定化PbrAMPDの取得が、結晶化の改善に有利に働いたのであろうと考えている。
現在は得られた結晶化条件の最適化を進め、2023年度中に結晶構造を決定することを目標として実験を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大腸菌を用いたPbrAMPDの発現および精製条件の最適化条件を検討し、以前より安定性の大きく向上したPbrAMPDの取得に成功した。結晶化および構造決定を行う上で、タンパク質の安定性は非常に重要な問題であり、この問題を2022年度に克服した意義は大きく、今後近い将来の構造決定および反応機構解明に向けて、大きく前進したと考えている。実際に、この安定性の向上したPbrAMPDを用いて結晶化を行った結果、これまでには得られなかった良好な結晶が得られている。以上の事から、本年度の進捗状況は概ね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

本年度で確立したPbrAMPDの発現条件および精製条件により得られたPbrAMPDを用いて、結晶化条件の最適化、放射光測定、および構造決定へと推進する予定である。それにより決定した構造に加えて、本酵素の反応速度論的解析を行い、それらの知見を統合することでAMPDの反応機構を解明する。

次年度使用額が生じた理由

R4年度導入予定であったクロマトグラフィーシステムについて、そのシステムの設置予定であったクロマトチャンバー(大型冷蔵庫)が故障し修理に時間を要するため、導入が次年度繰越となった事によるもの。また、R4年度導入予定であったオートクレーブおよび構造解析用PCについては、当年度実験室の配置転換が生じたため、移動による故障等の防止として配置転換後(次年度)の導入へと次年度繰越とした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Candidatus Promineofilum breve 由来 AMPD の結晶化2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木美帆、邊見久、海野英昭
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度西日本支部大会

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公開日: 2023-12-25  

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