研究課題/領域番号 |
22K06124
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 裕史 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (50644655)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 血管 / 糖鎖 / シングルセル / transcriptome / O-GlcNAc |
研究実績の概要 |
初年度では本申請課題で着目する細胞外O-GlcNAc糖鎖を修飾するEogt糖転移酵素のマウスにおける組織発現分布を高解像度の共焦点レーザー顕微鏡にて解析し、特定の臓器の特定の血管において非常に強い染色が認められた。昨年度では細胞系譜追跡実験を行うため、当該細胞特異的に発現するCre deleterと、LSL-tdTomato (LoxP-STOP-LoxP-tdTomato)マウスを交配し、Tomato陽性細胞におけるEogtの染色を確認したところ、完全一致が認められ、細胞マーカーだけでなくlineage tracing実験においてもEogt陽性血管を同定することが出来た。更に、その血管からEogt陽性細胞の分離培養を確立し、hTERT (teromerase)にて不死化を行なった。その細胞を用いて、様々な刺激実験を行い、wild-typeとtissue-specific inducible Eogtノックアウト細胞において、遺伝子発現プロファイルを比較したところ、再現性よく、特定の遺伝子の発現に影響がみられ、更に、このことはwestern blottingでも確認できた。そこで、tissue-specific inducible EogtノックアウトマウスにTamoxifen投与を行い、in vivo deletionを行い、血管のwhole mount imagingを行ったところ、先日の分子の発現レベルが著しく低下していた。この分子は血管らしさを定義づけ、細胞間の同調に関わるため、現在、tissue-specific inducible Eogtノックアウトマウスに対し、様々なinsultsを付加した時の血管の振る舞いにつき、検証中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの作製、血管からの細胞の分離培養、in vitroでのdeletion efficiencyなど、小さな障壁はところどころあるものの、基本的には一つずつクリアしていき、順調に実験を進められている。最終年度では論文投稿を行う。
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今後の研究の推進方策 |
RNA-seqによる網羅的遺伝子発現プロファイルの差異をwild-typeとtissue-specific inducible Eogt-KO cells間で比較を行う。同時並行で進めている、Click chemistryを用いた手段により、本contextにおけるEogtの修飾基質を同定する。in vivo insult modelを利用し、tissue-specific inducible Eogt-KOマウスの表現型解析を終える。
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次年度使用額が生じた理由 |
民間助成金を得たため、その執行を優先して行った結果、次年度使用額が生じた。
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