研究課題/領域番号 |
22K06186
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
片岡 研介 基礎生物学研究所, クロマチン制御研究部門, 助教 (80784959)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヘテロクロマチン / HP1 / ゲノム再編 / テトラヒメナ |
研究実績の概要 |
ヘテロクロマチンは、特徴的なヒストンのメチル化を認識するHP1タンパク質を中心にして、様々なトランス作用因子がクロマチン上にリクルートされることにより形成されているが、その形成機構には多くの謎が残されている。本年度は、ヘテロクロマチン形成を同調的に解析することが可能なテトラヒメナを用いて、HP1タンパク質とトランス作用因子による協調/排他関係の経時的なダイナミクスの解明を目指した。本計画では、ヘテロクロマチンで起こるダイナミックな連続反応が、1)分子間の強固な相互作用による安定的な複合体形成と、2)弱い静電相互作用によって支えられた動的な凝集体形成、という異なる構成原理によって担われていると想定し、1)の相互作用解析には、免疫沈降法、2)の相互作用解析には、近接因子標識法を用いた。これらの解析では、ヘテロクロマチンを構成する中心的なHP1様タンパク質であるPdd1に着目し、1)の解析には、Pdd1に免疫沈降に最適なエピトープタグが融合した融合タンパク質を発現する細胞株を、2)の解析には、Pdd1に近接因子標識可能なペルオキシダーゼが融合した融合タンパク質を発現する細胞を用いた。これらの細胞株において、ヘテロクロマチンが新規に形成される時期、複数のヘテロクロマチン領域が集合する時期、ヘテロクロマチン標識されたゲノム領域がゲノムから排除される時期において、Pdd1と相互作用または、近接する因子を質量分析により同定し、ヘテロクロマチン構成因子の経時的なダイナミクスを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、2つの異なる手法を用いてヘテロクロマチンを構成する因子のダイナミクスを捉えることに成功しているため、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の解析で、機能未知のヘテロクロマチン関連因子が多数見出された。これらのタンパク質について遺伝子破壊株を作成し、ヘテロクロマチン形成における機能を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度中に納品される予定であった消耗品の納期が遅れたため。消耗品は次年度に納品される予定のため、次年度に形質転換実験を遂行する。
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