研究課題/領域番号 |
22K06218
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 興 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50728293)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マウス / 卵母細胞 / ミトコンドリア / 減数分裂 / 紡錘体 |
研究実績の概要 |
オルガネラの細胞内分布を積極的に制御することは,細胞機能と密接な関係があると一般に推測される。初期発生においてオルガネラの細胞内配置にどのような意義があるのか,未だ不明な点が多い。本研究は,第二減数分裂中期のマウス卵母細胞に着目し,紡錘体近傍へのミトコンドリアの集積を作る分子基盤とその意義を明らかにすること目的とする。本年度は,1)ミトコンドリアの分布に影響を及ぼす細胞外環境の解析と2)関連が推定された分子の阻害実験の予備的検討を行った。1)について,2種類の培地(KSOM,M16)を用いて卵のin vitro maturationを行った。KSOMを用いるとin vivo maturationした卵のミトコンドリア分布を再現できるのに対し,M16を用いると異常なミトコンドリア分布になることが明らかになった。前者では紡錘体の位置が安定なのに対し,後者では不安定な状態だった。また単為発生刺激を行ったところ,前者ではミトコンドリアが極体に含まれないのに対し,後者ではミトコンドリアが極体にも含まれるようになった。2)について,文献情報と予備的な免疫染色実験によってKIF1Bαを候補の一つと考えた。そこでRNA干渉による発現抑制実験を行うことを計画し,FLAGタグ標識KIF1Bαを発現するマウス由来培養細胞株を樹立した。この細胞株を用いて,デザインした特異的siRNAを使ってRNA干渉を行ったところ有効な発現抑制が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画にしたがって概ね進行できているため。
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今後の研究の推進方策 |
上記で得た成果をもとにマウス卵における分子阻害実験を行う。培地の違いによるミトコンドリア分布の違いについて,今後その原因となる物質を明らかにする予定である。
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