現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は網羅的オープンクロマチン解析から再生特異的にクロマチンが開く領域にエンリッチする転写因子の結合モチーフのなかでもKLFファミリーに着目した。再生中の腎尿細管で発現するKLFファミリーのうち、KLF4, KLF6, KLF15, SP1, SP4をクローニングし、オープンクロマチン領域に対する活性化能を検討した。再生特異的なオープンクロマチン領域については、再生中に発現が亢進するCECR, ADRA1A, RAB6B, FUT4, A.superbus venom factor 1, SAP25, DUSP6, uncharacterized, H1-5, TMTC2遺伝子近傍の領域を損傷応答/再生エンハンサーの候補としてレポーターを構築した。ルシフェーラゼレポーター解析の結果、Sap25近傍のオープンクロマチン領域はKLF15により活性かされること、Adra1aとH1-5近傍のオープンクロマチン領域はKLF15とKLF6により活性化されることがわかった。一方、uncharacterized遺伝子近傍の領域はKLF4とSP4で活性化されることがわかった。また、Sap25、Adra1a、H1-5近傍のオープンクロマチン領域のトランスジェニックGFPレポーターツメガエルを作製し、いずれの領域も損傷依存的に再生中の腎尿細管でレポーター遺伝子の発現亢進が認められた。さらに標的遺伝子の一つであるAdra1aの作動薬であるエピネフリンを損傷を与えたツメガエルに作用させると、近位尿細管と中間尿細管の伸展が認められた。また、Adra1aの阻害剤を作用させると再生が抑制されることを明らかにした。
|