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2023 年度 実施状況報告書

ホヤの新たな生殖制御中枢「背索叢」の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06327
研究機関公益財団法人サントリー生命科学財団

研究代表者

大杉 知裕  公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 研究員 (50507986)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードホヤ / GnRH / 背索叢 / 配偶子 / 神経ペプチド
研究実績の概要

本年度はGnRH1遺伝子にコードされるペプチドを卵胞に添加・培養して、24時間後の形態学的解析を実施したが、卵胞の形態に有意な変化は見られなかった。したがってGnRH1は卵胞の形態学的な変化ではなく、卵胞内部で起きる遺伝子やタンパク発現の変動を制御している可能性が示唆された。ホヤにはGnRH1遺伝子に加え、GnRH2遺伝子が存在している。前年度までにトランスジェニック体を用いた解析からGnRH1陽性の神経線維は主に卵巣へ到達していることを明らかにした。一方、本年度はGnRH2遺伝子陽性の神経投射を調べたところ、GnRH1とは異なり、配偶子の放出を担うorange-pigmented organ(OPO)にGnRH2陽性の細胞体及び神経線維が分布していることが明らかになった。これらの結果から、GnRHシステムが卵巣の調節だけではなく、配偶子の放出を制御していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は当初計画に従いGnRH1の卵胞における作用を解析した。また、GnRH2遺伝子は成体では発現量が低いとされており、これまで重要視されてこなかったが、形態学的解析からGnRH2の神経系が配偶子の放出を制御する可能性を新たに見出した。これらの結果からホヤ背索叢におけるGnRHの制御系について当初の想定以上の成果が得られた。

今後の研究の推進方策

GnRH1の卵胞における作用を解析するため、GnRH処理を行った卵胞においてタンパク解析や遺伝子発現解析等を実施する。また、GnRH2は配偶子の放出制御に関わる可能性が示されたことから、orange-pigmented organにおける形態学的解析をさらに進めるとともに、トランスクリプトーム等の遺伝子発現解析も実施する。

次年度使用額が生じた理由

物品の納入業者による消費税の計算により1円の誤差が生じたため。次年度の使用計画に変更はない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] カタユウレイボヤにおけるGnRH神経系の形態学的解析2023

    • 著者名/発表者名
      大杉、松原、白石、笹倉、佐竹
    • 学会等名
      日本動物学会

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公開日: 2024-12-25  

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