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2022 年度 実施状況報告書

胚乳発達を制御する父母ゲノムのコンフリクトの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06332
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

和田 七夕子  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50379541)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードシロイヌナズナ / 種子発達 / 胚乳 / ゲノム刷り込み
研究実績の概要

被子植物の胚乳は、食糧源として重要である。複数の種に共通して、父ゲノムは胚乳発達に促進的に、母ゲノムは抑制的に作用する。このような父母ゲノムの拮抗的作用はコンフリクト理論として提唱される。さらに、母ゲノムの抑制的作用は複数の母方インプリント遺伝子がコードするポリコーム複合体が担うことも明らかとなっている。しかし、母方ポリコームに対し拮抗的に作用する父方インプリント遺伝子は未知であり、父母のコンフリクトの分子機構の解明は進んでいなかった。申請者は、アブラナ科モデル植物であるシロイヌナズナを用いて、父方インプリント遺伝子探索のためのスクリーニングを実施し、胚乳発達に対し促進的に作用する父方インプリント遺伝子を同定した。また、既知の母方インプリント遺伝子と同定した父方インプリント遺伝子の二重欠損株では、胚乳が大型化することで種子サイズが大きくなることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

胚乳発達に対し抑制的に作用する母方インプリント遺伝子の欠損株を用いてスクリーニングをおこない、胚乳発達に促進的に作用する父方インプリント遺伝子を同定した。また父母インプリント遺伝子の二重欠損株では胚乳の発達期間が長くなることで種子サイズが大型化した。この機構を活用してアブラナ科植物の種子サイズを制御する技術を開発した。

今後の研究の推進方策

父母インプリント遺伝子により制御される胚乳発達機構の分子基盤を明らかにするために、下流機構の解析を進めている。特に、父方因子の直接の標的をChIP-seqやDAP-seqにより明らかにする。これにより父母のコンフリクトの分子基盤を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の一部の変更により試薬の一部を次年度にて購入することとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [学会発表] Regulation of endosperm development by epigenetically regulated imprinted genes in Arabidopsis thaliana2022

    • 著者名/発表者名
      Yuko Wada, Sho Yamaguchi, Tamaki Shitabo, Aoi Hosaka, Kei Yamaguchi, Keishiro Yamada, Ryoko Ebihara, Asuka Higo, Kaoru Tonosaki, Hiroyuki Tsuji, Seiji Takayama, Tetsu Kinoshita, Toshiro Ito
    • 学会等名
      Integrative Epigenetics in Plants CSHA2022
    • 国際学会
  • [学会発表] シロイヌナズナにおける父方インプリント遺伝子の同定とその制御による種子サイズ操作 ワークショップ「ゲノム刷り込み研究から紐解く エピゲノム遺伝の新たなパラダイム」2022

    • 著者名/発表者名
      和田七夕子, 山口翔, 下保瑶己, 保坂碧, 山口京, 山田慧士朗, 海老原諒子, 肥後あすか, 殿崎薫, 辻寛之, 高山誠司, 木下哲, 伊藤寿朗
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [産業財産権] アブラナ科植物の種子サイズの制御方法及びその利用2023

    • 発明者名
      和田七夕子, 伊藤寿朗, 山口翔, 下保瑶己, 海老原諒子
    • 権利者名
      国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2023/ 3465
    • 外国

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公開日: 2023-12-25  

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