研究課題/領域番号 |
22K06392
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
北村 俊平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (60549674)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 種子散布 / ヒヨドリ / 渡り鳥 / シロハラ / マミチャジナイ |
研究実績の概要 |
本研究では、日本の温帯林の低木・草本層で高い多様性を示す被食散布植物とその主な種子散布者であるヒヨドリの重要性をネットワーク分析と有効性指標を組み合わせて評価することを目的としている。今年度は石川県立大学キャンパスのヤマモモ(自動撮影カメラ5台)とノブドウ(4台)、金沢大学の里山ゾーンのオモト(1台)、カラタチバナ(1台)、ジャノヒゲ(1台)、チゴユリ(1台)、ツルアリドオシ(1台)、ハイイヌツゲ(2台)、ヒサカキ(5台)、ヒメアオキ(1台)、ヤブコウジ(1台)、ヤブラン(1台)、石川県林業試験場のノブドウ(10台)の結実個体に自動撮影カメラを設置し、それらの果実を利用する動物相を明らかにした。まず2023年6月に石川県立大学キャンパスのヤマモモを対象とした調査では、新しく導入した自動撮影カメラLtl-Mini30でヤマモモの果実を利用する動物として、スズメサイズの小鳥からハクビシン程度の中型哺乳類までを撮影できることを確認した。金沢大学の里山ゾーンでは、これまでも自動撮影カメラによる調査を行ってきた林床で結実するが、個体数や結実数が少ない植物種を対象として自動撮影カメラを設置し、ヒヨドリ、シロハラ、トラツグミなどが主な果実消費者であることを明らかにした。さらに石川県林業試験場と石川県立大学キャンパスで結実したノブドウを対象とした調査では、秋の渡りの時期に短期間滞在したマミチャジナイやシロハラなどのツグミ科鳥類が主な果実消費者となることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
秋から冬にかけて結実した大部分の植物種を対象として、自動撮影カメラを設置し、何らかの動物が果実を利用している証拠を得ることができたため。特に集中的に調査を行ったノブドウに関しては、果実の色の変化パターンと鳥類が利用した果実の色の対応関係を明確にすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、サンプル数を稼ぐことができなかった植物種を優先して、自動撮影カメラを設置することで、量的に有効な種子散布者を明らかにする。さらに秋に短期滞在する渡り鳥による果実消費が重要であると考えられたノブドウを中心とした調査を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、アルバイトを雇用して自動撮影カメラの撮影データ解析を行う予定だったが、撮影データが得られた時期が遅く、年度内にデータ解析を進めることができなかったため。
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