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2023 年度 実施状況報告書

四肢体幹骨形態からみた白保人

研究課題

研究課題/領域番号 22K06414
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

河野 礼子  慶應義塾大学, 文学部(日吉), 教授 (30356266)

研究分担者 菊池 泰弘  佐賀大学, 医学部, 講師 (70325596)
片桐 千亜紀  九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード旧石器時代人 / 四肢体幹骨 / 形態 / 白保竿根田原洞穴遺跡 / 幾何学的形態分析法 / 崖葬墓
研究実績の概要

石垣島・白保竿根田原洞穴遺跡から出土した更新世末から完新世初頭にかけての多数の化石人骨資料のうち、四肢の長管骨と体幹骨に注目し、その形質的特徴や生活の様相を明らかにすることを目的として、表面形状データ取得とそれを用いた幾何学的形態分析法などの先進的な手法による分析を実施する。
本年度は白保人骨との比較対象となる沖縄本島出土古人骨資料についてのデータ化作業を継続した。具体的には、分担者の菊池が沖縄県立博物館や伊江村教育委員会などを訪問し、木綿原遺跡、具志原貝塚遺跡、港川遺跡、武芸洞などから出土した人骨資料を観察し、おもに上肢骨について3次元表面スキャナーを用いて形状データの記録を実施した。さらに尺骨標本については3次元表面形状を復元し、ランドマーク点の座標値を取得した。
また前年度中にマイクロCTデータを取得済みの岩立遺跡・岩立遺跡西区・大当原貝塚遺跡・津堅貝塚遺跡・渡名喜南貝塚遺跡出土の椎骨標本30点分について、CTデータをもとに3次元形状を復元し、ランドマーク点の座標値を取得した。
分担者の片桐は、琉球列島の崖葬墓文化の特徴を把握するため、和歌山県内、静岡県内の横穴墓や横穴式石室の調査を実施した。また、先島諸島(宮古、石垣、与那国島)の崖葬墓の調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の河野は家庭の状況により本年度は十分な時間を研究活動に割くことができなかった。このために研究計画の一部の進捗がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

研究計画の最終年度となる2024年度は、これまでに収集した表面形状データのうち、とくに尺骨と腰椎に注目して、幾何学的形態分析法により比較分析を進める。この過程で必要に応じて追加の比較データを取得する。また研究代表者の河野が2023年度にあまり進められなかった3次元データの分析作業などについても2024年度に進める予定である。白保人骨の尺骨や腰椎の形態特徴を明らかにし、論文出版に向けてまとめる。

次年度使用額が生じた理由

進捗状況にも記した通り、研究代表者の河野は本年度、家庭の状況により十分な時間を研究活動に割くことができなかった。このため予算使用も限定的となり、次年度使用額が生じた。次年度使用額については出張旅費が不足する見通しの分担者2名にも配分して、データ採取などをさらに進める。河野は、2023年度の研究状況遅延を解消すべく、3次元データの分析作業を進めるため、沖縄への出張旅費や、データストレッジの購入などに研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 琉球列島の崖葬墓2024

    • 著者名/発表者名
      片桐千亜紀
    • 雑誌名

      書籍「モノからみる海域アジアとオセアニア海のある―暮らしと精神世界」

      巻: - ページ: -

  • [学会発表] 琉球列島人の口腔環境の変遷2023

    • 著者名/発表者名
      片桐千亜紀
    • 学会等名
      研究会『葬墓制資料に基づく近世琉球社会史の学際的研究』
  • [学会発表] 白保竿根田原洞穴遺跡出土人骨に観察される傷痕について2023

    • 著者名/発表者名
      永島萌・片桐千亜紀・大薮由美子・佐藤孝雄・河野礼子
    • 学会等名
      日本人類学会第77回大会

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公開日: 2024-12-25  

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