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2022 年度 実施状況報告書

神経活動に伴うアストロサイトのAQP4依存的なATP/アデノシン放出

研究課題

研究課題/領域番号 22K06431
研究機関神戸大学

研究代表者

森田 光洋  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (50297602)

研究分担者 塚本 寿夫  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (90579814)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードAQP4 / アデノシン / 神経活動 / グルコース代謝 / 生体イメージング / 光遺伝学
研究実績の概要

マウス生体脳における神経活動依存的なグルコース消費とAQP4 依存的な ATP /アデノシン 放出の関係を実験的に実証するため、初年度に当たる2022年度は生体イメージング関連の実験系構築とモデル棟物の作製及び検討を行った。具体的には、現有のの2 光子ホログラフィック顕微鏡を用いて ホログラムとして作成した 2光子スポットパターンで大脳 皮質の神経細胞を光遺伝学刺激し、2光子カルシウムイメージングで応答を可視化した これに加えて頭蓋を透明化し、低倍の対物レンズで大脳皮質全体を広域カルシウムイメージングする系を確立し、これを用いて解析する予定の、神経細胞がGCaMPを発現するAQP4欠損マウスを作成した。またAQP4が ATP/アデノシン 放出を介して 神経伝達を修飾する実例として、これまでに コカインの禁断症状として発現するマウスのうつ様行動がAQP4依存的なATP/アデノシン 放出の変調と、これに伴うドーパミン神経伝達の不全によるものであることが示されており、現在投稿中である。また、本年度はこれに関連して コカイン急性期の覚醒作用についてオープンフィールド試験を用いて検討し、AQP4欠損マウスでは 覚醒作用が消失することを見出した。 A

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

神経活動を可視化及び操作するための実験系が確立した。またAQP4欠損マウスにおけるATP/アデノシン 放出に関連した行動の変容を独自に発見している。 一方で グルコース代謝や細胞外ATP、アデノシン、ドーパミンを測定するためのAVVベクターは、すでにいくつか入手されているものの、これらが現存の2光子ホログラフィック顕微鏡で利用可能であるかについては検討段階である。

今後の研究の推進方策

細胞内グルコース、細胞外ATP、アデノシン、ドーパミン などを可視化するための蛍光タンパク質を発現するAAVベクターをスライス培養系において発現させ、これを用いたイメージングを確立する。この系を用いて 生体 マウスのイメージング及び光遺伝学刺激を行いて、目的とする 仮説を実証する。

次年度使用額が生じた理由

AAVベクターの検討が進んでいないため、予定されているAAVの作製が全て済んではいないため。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Modern Microscopic Approaches to Astrocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Morita Mitsuhiro
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 5883~5883

    • DOI

      10.3390/ijms24065883

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Evaluation and Manipulation of Neural Activity using Two-Photon Holographic Microscopy2022

    • 著者名/発表者名
      Kato Daisuke、Quan Xiangyu、Tanisumi Yuta、Guo Zhongtian、Morita Mitsuhiro、Takiguchi Tetsuya、Matoba Osamu、Wake Hiroaki
    • 雑誌名

      Journal of Visualized Experiments

      巻: 187 ページ: 1~15

    • DOI

      10.3791/64205

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Quantitative dynamic evolution of physiological parameters of RBC by highly stable digital holographic microscopy2022

    • 著者名/発表者名
      Kumar Manoj、Matoba Osamu、Quan Xiangyu、Rajput Sudheesh K、Morita Mitsuhiro、Awatsuji Yasuhiro
    • 雑誌名

      Optics and Lasers in Engineering

      巻: 151 ページ: 106887~106887

    • DOI

      10.1016/j.optlaseng.2021.106887

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脳における水システムと神経情報処理のクロストーク2022

    • 著者名/発表者名
      森田光洋
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Emotional arousal enhances perceptual memory through amygdalo-cortical input during NREM sleep2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshihito Saito,Yuma Osako,Maya Odagawa,Yasuhiro Oisi,Chie Matsubara,Mitsuhiro Morita,Masanori Murayama
    • 学会等名
      第45回日本神経科学会
  • [学会発表] Cortical-wide impairment of “the Glymphatic System” after focal brain injury2022

    • 著者名/発表者名
      [Lee, H,Azuma, M,Shinzaki, K,Yamane, R,Morita, M
    • 学会等名
      第45回日本神経科学会
  • [学会発表] Effects of fingolimod on vasculature and glial scar formation after closed-head injury2022

    • 著者名/発表者名
      Sawant, N,Okazaki, N,Morita, M
    • 学会等名
      第45回日本神経科学会
  • [図書] 2 光子励起ホログラフィック顕微鏡による高度光遺伝学応用2022

    • 著者名/発表者名
      的場 修,全 香玉,米田 成,森田 光洋
    • 総ページ数
      643
    • 出版者
      レーザー研究第 50 巻第 11 号(2022 年 11 月)「多彩な発展を遂げるホログラフィ」特集号

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公開日: 2023-12-25  

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