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2022 年度 実績報告書

神経活動ー記憶回路変換の神経形態学的基盤解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06455
研究機関東京大学

研究代表者

湊原 圭一郎  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (30740237)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2023-03-31
キーワード記憶・学習 / シナプス / イメージング / 記憶エングラム
研究実績の概要

神経細胞は刺激に応じてシナプスの伝達効率を可塑的に変化させる性質を有する。このシナプスの信号の伝達効率の変化が学習の仕組みであるという「ヘブ則」が1949年に提唱された。また同時に、刺激に応じて活動する神経細胞群により細胞集合体が形成され、そのネットワークの細胞の構造変化が記憶の実体であるという概念も提唱された。すなわち、記憶とは脳への刺激に応答した一部の神経細胞群が可塑的変化を起こし、細胞集合体(記憶痕跡回路)を形成することであると捉えることができる。さらに2011年ごろからc-fosやArcなどの前初期遺伝子を発現する一部の活性化神経細胞群が記憶痕跡回路(記憶エングラム)を形成することが明らかになった(Liu et al., Nature 2011;Kitamura et al. Science 2017)。前初期遺伝子は感覚入力などの脳への刺激に応答してその発現が誘導されるのだが、これらの発現細胞が記憶エングラムへと変化する神経細胞機序は明らかになっていない。この変化過程に関わるシナプス変化にどのような規則性があるのかを検証した。我々は新たに、記憶形成前後のマウス脳内一万超の各神経細胞の活動を広視野2光子メゾスコープで測定することで、学習前から音刺激に応答し、学習後には音刺激に応答して多領域の神経細胞と同期発火するようになる新規神経細胞群、音細胞を同定した。記憶・学習にはシナプス可塑性が深く関与すると考えられているが、シナプス可塑的変化の具体的な責任回路やシナプス部位は不明である。シナプスライブイメージングと超解像イメージング技術を駆使し、記憶形成にともなう音細胞とその接続神経回路で起こるシナプス動態を解析する。音刺激学習成立時に大脳皮質で形成される記憶ネットワークの神経形態学的基盤を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Fear conditioning induces spine formation in Arc-expressing neurons revealed by in vivo two-photon imaging2022

    • 著者名/発表者名
      Keiichiro Minatohara, Soichiro Ohnami, Shigeo Okabe, Haruhiko Bito, Hiroyuki Okuno
    • 学会等名
      Neuro2022(第45回日本神経科学大会)
    • 国際学会
  • [学会発表] 恐怖条件付け学習による活性化回路におけるスパイン形成と分布2022

    • 著者名/発表者名
      湊原圭一郎
    • 学会等名
      東京大学生命科学シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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