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2022 年度 実施状況報告書

新しい三次元構造解析技術を用いて成体海馬ニューロン新生とその病理を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 22K06462
研究機関順天堂大学

研究代表者

石 龍徳  順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (20175417)

研究分担者 市村 浩一郎  順天堂大学, 医学部, 教授 (10343485)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード海馬 / 成体脳ニューロン新生 / 神経幹細胞 / 未熟ニューロン / 微少環境 / PSA-NCAM / 顆粒細胞
研究実績の概要

海馬では成体になっても例外的にニューロンの新生が続いている。この成体脳ニューロン 新生は、海馬における生理機能(記憶・学習など)や神経疾患(てんかん、虚血など)に深く関与している。海馬のニューロン新生部位は、歯状回顆粒細胞層の内側に存在し、顆粒細胞層下帯(SGZ)と呼ばれている。ここには、神経幹細胞が存在するとともに、ニューロン新生を支えるための微小環境が存在すると考えられているが、その実態はまだ解明されていない。本研究では、この微少環境の形態的基盤と推測される、神経幹細胞、神経前駆細胞、未熟ニューロンとその周囲の血管、周皮細胞、グリア細胞などが構築する3次元構造を解明することを目的としている。本年度、このような解析のために、三次元解析が可能な収束イオンビーム-走査型電子顕微鏡複合装置(FIB-SEM) を用いる実験について検討したが、FIB-SEM法による解析では、ごく狭い範囲しか観察できず、いくつかの細胞が集まったような広域立体構造を解析するためには、連続超薄切片と走査電子顕微鏡(SEM)を用いたアレイトモブラフィーの方が適していることが明らかになった。現在、研究分担者の市村が、この技術を用いて、腎臓を解析中であり、ある程度この技術が確立したところで、海馬のニューロン新生部位の解析を行う予定である。そこで本年度は、透過電子顕微鏡を用いた免疫電子顕微鏡技術により、ニューロン新生部位の基礎的なデータを収集した。その結果、グリアフィラメントと放射状の突起を持つ神経幹細胞は、未熟ニューロンのマーカーであるPSA-NCAMを発現する複数の新生細胞に囲まれたクラスターを形成することが明らかになった。また、このクラスターには時に毛細血管が隣接していることも明らかになった。今後は、このようなクラスターの3次元構造を解析したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

連続断面撮影による三次元解析が可能な収束イオンビーム-走査型電子 顕微鏡複合装置(FIB-SEM)を用いて、ニューロン新生部位の解析を行う予定であったが、解析できる範囲が狭く、いくつかの細胞の相互関係を解析するのが困難であることが判明した。そのため解析法を再検討し、連続超薄切片と走査電子顕微鏡(SEM)を用いたアレイトモブラフィーに変更することを決定した。この変更検討のため、遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

「現在までの進捗状況」で述べたような問題があるので、今後は、広域立体構造解析に適したアレイトモグラフィーによりニューロン新生部位の微少環境について検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

収束イオンビーム-走査型電子顕微鏡複合装置(FIB-SEM)を用いた解析から、アレイトモグラフィーを用いた解析に変更することを検討したために、実験の進行に遅れが生じ、次年度使用額が発生した。この次年度使用額は、抗体の購入などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 海馬歯状回は様式や性質が異なる神経前駆細胞により形成 される2023

    • 著者名/発表者名
      篠原 広志、 石 龍徳、 高橋 宗春
    • 学会等名
      第128回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [備考] 石龍徳の研究ページ

    • URL

      https://sekitatsulab.jimdofree.com/

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公開日: 2023-12-25  

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