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2023 年度 実施状況報告書

ドーパミンを介した感覚予測誤差信号伝達プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06484
研究機関京都大学

研究代表者

網田 英敏  京都大学, ヒト行動進化研究センター, 特定助教 (80845321)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード神経科学 / 大脳基底核 / 予測誤差 / ドーパミン / 霊長類 / 聴覚 / 前頭連合野 / ウイルスベクター
研究実績の概要

尾状核頭部において聴覚刺激に対するドーパミン予測誤差信号が観察されたという昨年度の結果を踏まえ、本年度は、尾状核頭部が聴覚情報を皮質領域から受け取っている可能性について解剖学的に検証をおこなった。まず、逆行性ウイルスベクター(rAAV2-retro)をMRIナビゲーションシステムを使ってサル尾状核頭部に局所注入したのち、免疫組織化学染色により、逆行性感染したニューロンの細胞局在を顕微鏡下で観察した。大脳皮質における逆行性標識されたニューロンを解析した結果、前頭極、腹側前頭前野、前部帯状回皮質において顕著な数の標識ニューロンを確認した。これらの皮質領域は聴覚野と相互に神経連絡をしていることが過去の研究から示されている。したがって、これらの領域が聴覚野から受けた信号を情報処理し、尾状核頭部に伝達している可能性が示唆される。今後、これらの皮質領域から聴覚刺激に対する応答を計測することで、皮質-皮質下経路が聴覚刺激の予測をどのようにおこなっているかを明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

逆行性ウイルスベクターによって尾状核頭部に入力する皮質からの投射経路を同定することができた。本成果により、ドーパミンの予測誤差信号が修飾しているターゲット経路を絞り込むことができたため、今後の研究展開につながる。

今後の研究の推進方策

本研究で明らかになった尾状核頭部に投射する大脳皮質領域、とくに前頭極、腹側前頭前野、前部帯状回皮質から神経活動を計測することで、聴覚刺激に対する予測信号が見られるかを検証する。

次年度使用額が生じた理由

次年度の研究に必要な物品の購入に充てるため。
当初計画していた国際学会への参加を控えたため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A fluorescent dopamine sensor reveals distinct signals on reward prediction error and expected reward value in the primate putamen and caudate nucleus2023

    • 著者名/発表者名
      Yan G., Amita H., Nonomura S., Inoue K., Takada M.
    • 学会等名
      XIVth Meeting for International Basal Ganglia Society
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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