現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コラーゲン・ヒアルロン酸ナノ粒子の調製:0.1 mMのコラーゲン(COL)溶液と分子量120万の0.1 mMヒアルロン酸(HA)を試験溶液として用いることとした。2022年度よりも低濃度の緩衝液を用いて検証した(検討した緩衝液:1, 3, 15, 20, 30, 50 mMのクエン酸緩衝液)。pHは5に固定した。緩衝液の濃度が濃くなるにつれて粒子径は大きくなった。特に1または3 mMの時に200 nm以下となった。15 mM以上のときは約400 nmとなり大きく変動しなかった。多分散指数は緩衝液濃度20 mMまでは0.2程度であり、大きく変化しないことがわかった。ゼータ電位は緩衝液濃度に依存せずに-20 mV以上であった。したがって、緩衝液濃度を3 mMとした際には粒子径200 nm、ゼータ電位-35 mV、多分散指数は0.2以下の粒子が、20 mMとした際には粒子径400 nm、ゼータ電位-35 mV、多分産子数は0.2以下の粒子が作成可能であった。 また、皮膚中に移行したコラーゲンを可視化するために蛍光標識コラーゲン(FITC-COL)とヒアルロン酸で粒子を調製した。非標識のCOL・HAナノ粒子の粒子径、多分散指数、ゼータ電位とFITC-COL・HAナノ粒子のそれは大きく変わらなかった。 皮膚浸透性:COL・HAナノ粒子とFITC-COL・HAナノ粒子をヒト皮膚浸透試験で評価した。蛍光非標識COLを適用し、試験終了後にCHPで染色、評価した。非粒子化COLナノ粒子と比較して粒子化したCOLナノ粒子を適用すると、皮膚中にCHP由来のピークが強く確認された。しかし、生体由来のCOLが大きく関与していることを想定し、FITC-COLナノ粒子を適用して評価した。先に検討したときと同様で、COLはナノ粒子化することで皮膚内に高送達されることが示唆される画像データが得られている。
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