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2022 年度 実施状況報告書

ビタミンKによる活性酸素生成を作用機序とするMRI可視化抗腫瘍リポソームの作製

研究課題

研究課題/領域番号 22K06573
研究機関崇城大学

研究代表者

岡崎 祥子  崇城大学, 薬学部, 准教授 (40435152)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードビタミンK類 / ニトロキシラジカル / 抗腫瘍効果 / 活性酸素
研究実績の概要

ビタミンK類は抗がん活性を有することが知られており、その作用機序はミトコンドリアに局在するNADH-キノン酸化還元酵素との反応でスーパーオキシドラジカルを生成することだと考えられている。本研究は、ビタミンK類のがん治療への利用を目指し、ビタミンK誘導体と、MRI造影効果を併せ持つレドックスプローブ(ニトロキシルラジカル)を結合させた新規抗がん剤の作製を目指している。
研究代表者は、これまでにビタミンK3(メナジオン)の腫瘍細胞に対する毒性効果を6員環のニトロキシラジカルであるTEMPOLが増強すること、5員環のニトロキシラジカル類ではその効果が弱いことを示してきた。本年度はこれまでの成果に加えて、TEMPOLと同じ骨格である2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinolでは毒性増強効果がないことや、TEMPOLによる毒性増強効果には細胞内に鉄が必要であることなどを示すことができた。これらの結果は、メナジオンの細胞毒性におけるTEMPOLの毒性増強効果には、TEMPOLのSOD様活性が重要であり、その作用にはSOD様活性によって生成した過酸化水素からフェントン反応により発生するヒドロキシルラジカルが関与していることを示している。これらの機能を保持した状態で、ビタミンKとニトロキシラジカルを結合させた新規化合物は抗腫瘍効果を有することが期待でき、本研究の意義を裏付ける研究結果である。
本研究結果に関連して、日本薬学会第143年会でポスター発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究を続けるにあたっての重要な裏付けの結果を得ることが出来たことに加えて、学会発表も行うことができた。

今後の研究の推進方策

保持しておくべき構造が大凡把握できたことから、この知見を元に、ビタミンK類と6員環ニトロキシラジカルを結合させた新規化合物の合成に着手する。また、本細胞死のメカニズムについてまだ不明な点も残されているため、平行して、メカニズム解明に関する研究も行っていく。

次年度使用額が生じた理由

実験に際し、節約に努めたこと、本来合成にまで着手予定であったが、次年度に持ち越すことになったことなどから次年度使用額が生じた。
本年度は細胞を用いた実験と平行して合成の実験も行うため、繰り越し分も使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] スピンプローブTEMPOLによるビタミンK3の細胞毒性増強効果2023

    • 著者名/発表者名
      岡崎祥子, 海江田真愛,野下麻衣子、桒原由帆、寺山元規、太田悠平、竹下啓蔵
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会

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公開日: 2023-12-25  

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