研究実績の概要 |
申請者はこれまでに「通常は核スペックルと呼ばれる核内構造体に局在する非コードRNA, MALAT1が熱ストレスに応答して核スペックルから離脱し、新規核内構造体(Heat-inducible Noncoding RNA body; HiNoCo bodyと命名)を形成する」という新しい現象を発見している。本研究計画では長鎖非コードRNA, MALAT1が形成する熱ストレス応答性の核内構造体, HiNoCo bodyの形成・維持機構およびHiNoCo body依存的な熱応答性の遺伝子発現制御機構を解明することを目的としている。 申請者は, 転写阻害剤を添加することによりHiNoCo bodyの形成が阻害されることを見出した。また、これまでに特定のRNAと相互作用するゲノムDNA領域を網羅的に特定する手法, ChIRP-DNAseq法を用いて熱ストレス時にMALAT1と相互作用する標的ゲノムDNA領域を同定している。該当遺伝子の遺伝子発現について解析を行った結果、MALAT1/HiNoCo bodyが該当遺伝子の転写制御に関与する可能性を示唆する結果を得た。
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