研究課題/領域番号 |
22K06631
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
倉内 祐樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (70631638)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 天気頭痛 / 性差 / マルチモニタリング / 心拍 |
研究実績の概要 |
自由行動条件下のマウスにおいて脳血流・脳温・心拍を同時に測定するシステムを構築することが、本研究の第一到達目標である。これまでに脳血流や脳温の測定システムは確立できていたが、心拍測定が不安定であり、全てのパラメーターを同時測定するシステムは実現できていない。そこで本年度は、マウス心拍の安定測定系を構築した。 従来、マウスに心電図デバイスを固定できても、術後回復期のあいだにデバイスが外れてしまうことが問題であった。そこで本年度はマウスジャケットを活用してデバイスを固定したところ、この問題を解決することができた。 続いて、この方法で構築した測定系において、気圧変動がマウスの心拍に与える影響を測定した。雄性C57BL/6J系統マウスの解析結果から、低気圧環境に暴露されると心拍数(Heart rate; HR)が増大し、通常気圧環境に戻した後はHRが低下することが明らかとなった。 今後は、雌マウスを用いた検討やBALB/c系統マウスを用いた検討を行うことで心拍単独測定時の参照データを取りつつ、そのデータ解析手法を確立し、マルチモニタリングシステムの基盤を構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにマウス用小型心電図デバイスを作成した。しかし、マウスに心電図デバイスを固定できても、術後回復期のあいだにデバイスが外れてしまうことが問題であった。この問題を解決するため、今年度はマウスジャケットを活用したデバイス固定方法を確立した。その結果、デバイスが外れることなく、自由行動条件下での安定した心拍測定を実現できた。 さらに本研究の到達目標の1つである気圧変動時の心拍変動解析においても、雄性C57BL/6J系統マウスの結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、まずは雌マウスを用いた検討やBALB/c系統マウスを用いた検討を行うことで心拍単独測定時の参照データを取り、そのデータ解析手法を確立する。続いて、脳血流・脳温・心拍を同時に測定するマルチモニタリングシステムの実験系を構築する。
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