研究課題/領域番号 |
22K06632
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
細田 隆介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20749428)
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研究分担者 |
岩原 直敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00613085)
藤谷 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10374191)
野島 伊世里 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10827398)
久野 篤史 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30468079)
山田 崇史 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (50583176)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | サルコペニア / SIRT1 / 老化 / オートファジー / 骨格筋 |
研究実績の概要 |
加齢に伴う筋萎縮と筋力低下で定義されるサルコペニアの予防は健康寿命の延伸に重要である。NAD+依存性脱アセチル化酵素であるSIRT1は標的蛋白を脱アセチル化して細胞のストレス耐性を高める。申請者は、老齢マウスではサルコペニアに伴いアセチル化蛋白が増加しており、これらはSIRT1活性化薬により抑制されること、そして骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスはアセチル化蛋白の増加とサルコペニアを呈することを見出した。さらに、サルコペニアの機序として重要なIGF1/mTORC1活性の低下は老齢マウスや骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスでは見られないのに対し、老齢マウスと骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスの筋組織で共通のアセチル化蛋白の増加が見られた。従って加齢に伴うSIRT1活性低下による未知の標的蛋白のアセチル化亢進がサルコペニアに寄与する可能性を想起した。本研究の目的は、蛋白アセチル化修飾の観点からサルコペニアの発症機序を解明し、新しい治療法に結びつく知見を得ることである。本年度の研究において老齢マウス、SIRT1活性化薬レスベラトロールを投与した老齢マウス、および骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスから骨格筋組織を採取した。これらのサンプルを用いて抗アセチル化リジン抗体で免疫沈降して集めたアセチル化蛋白を蛋白質量解析で同定し、老化とSIRT1ノックアウトで共通して増加するアセチル化蛋白を網羅的に調べた。そして、検出された蛋白の中で、1) 検出量が多く、2) 加齢やSIRT1ノックアウトによるアセチル化の変動が大きい蛋白の解析をおこなった。結果として代謝経路に関与する蛋白が老化とSIRT1ノックアウトでアセチル化を受ける可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の予定通り骨格筋において老化とSIRT1ノックアウトで増加するアセチル化蛋白の網羅的解析をおこなうことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はアセチル化修飾やSIRT1による制御が未知の蛋白を選択して骨格筋萎縮との関連を明らかとしていく。骨格筋萎縮に関与する蛋白を同定したのちに、候補蛋白のアセチル化を受けるリジン残基をグルタミンに置換したアセチル化模倣変異体の発現系を作成する。そしてC2C12筋管細胞を用いて、候補蛋白のノックダウンやアセチル化模倣変異体の発現により筋線維萎縮が起きるか確認をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
割引やキャンペーンを効率的に利用した結果、当初の計画よりも物品費が抑えられたため残額が生じた。
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