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2022 年度 実施状況報告書

糖尿病合併症におけるキマーゼの病態生理学的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06639
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

高井 真司  大阪医科薬科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)

研究分担者 金 徳男  大阪医科薬科大学, 医学研究科, 講師 (90319533)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードキマーゼ / 糖尿病 / 合併症 / 腎障害 / 網膜症
研究実績の概要

5週齢の雄性2型糖尿病マウスを購入し、6週齢より生理食塩水(プラセボ)とキマーゼ阻害薬の投与を開始し、正常マウスを正常群とした。プラセボまたはキマーゼ阻害薬投与後4週、8週、12週の時点で血糖値、尿中クレアチニン、腎臓キマーゼ活性を測定した。
投与開始前の時点で既に正常マウスに対して糖尿病マウスの血糖値および尿中クレアチニン値は有意に高かった。投与開始後4週の時点でプラセボ群では血糖値および尿中クレアチニン値が更に高くなった。一方、キマーゼ阻害薬群ではプラセボ群と同程度の血糖値を示したが、尿中クレアチニン値は有意に抑制された。また、プラセボ群の腎臓キマーゼ活性は正常マウスよりも有意に高値であったが、キマーゼ阻害薬群ではプラセボ群に比して有意に低値であった。投与開始後8週の時点では、プラセボ群の血糖値は更に高値を示し、キマーゼ阻害薬群も同程度に著明な高値を示した。尿中クレアチニン値もプラセボ群でさらに高値となり、キマーゼ阻害薬群はプラセボ群に比して有意な抑制を示したが、投与後4週の時点に比べて明らかに高くなった。プラセボ群の腎臓キマーゼ活性は更に高くなり、キマーゼ阻害薬で有意な抑制を示したが、その抑制効果は4週齢に比べて明らかに減弱した。投与後12週の時点でもプラセボ群とキマーゼ阻害薬群で著明な高い血糖値を示した。プラセボ群の尿中クレアチニン値もさらに増加し、キマーゼ阻害薬群はプラセボ群よりも抑制傾向を示したものの有意差は無かった。また、腎臓のキマーゼ活性もプラセボ群で更に高値になり、キマーゼ阻害薬群で抑制傾向を示したが、有意差は無くなった。
これらの結果より糖尿病発症初期においては、血糖値とは無関係にキマーゼ阻害薬に腎障害の予防効果を認めたが、糖尿病による高血糖の状態が慢性的に持続するとキマーゼ阻害薬単独では腎障害を予防することが難しいと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の実験計画通り、実験を遂行することができた。

今後の研究の推進方策

2023年度は、糖尿病合併症として白内障および網膜症に対するキマーゼ阻害薬の影響を解析する予定である。
具体的には6週齢の雄性2型糖尿病モデルラットを用いて生理食塩水(プラセボ)またはキマーゼ阻害薬を投与し、経時的に血糖値の測定と眼球を摘出してレンズおよび網膜を摘出して白内障および網膜症に対する影響を解析する。

次年度使用額が生じた理由

動物の解析費用が当初計画より安価で実施できたため。次年度使用額は、次年度の試薬および動物購入費そする計画である。

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公開日: 2023-12-25  

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