研究課題/領域番号 |
22K06652
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
呉林 なごみ 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (50133335)
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研究分担者 |
石田 良典 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (10937684)
小川 治夫 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40292726)
杉原 匡美 順天堂大学, 医学部, 助教 (80648163)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 2型リアノジン受容体 / 不整脈 / カルシウム / 機能抑制型変異 / 心筋 |
研究実績の概要 |
本研究テーマである2型リアノジン受容体(RyR2)の変異による疾患には機能亢進型と機能喪失型があり、どちらも不整脈として現れるが、その対処法は両者で異なる、すなわち、機能亢進型にはRyR2阻害薬が、機能喪失型にはRyR2活性化薬が治療薬となると考えられる。これを検討するため、RyR2阻害薬および活性化薬の両方を開発することとした 30,000種類の化合物ライブラリからハイスループットスクリーニングによって得られた複数のRyR2阻害薬および活性化薬のリード化合物を元に、構造展開化合物を10種類ほど得た。これらの化合物の効果を、RyR2および小胞体Ca2+センサータンパクを共発現するHEK293細胞を用いて検証を行った。 RyR2阻害薬については、高親和性かつ特異性の高い化合物が見いだされた。実際にこのRyR2抑制性化合物は、機能亢進型RyR2変異モデルマウス、および心不全モデルマウスより得た単離心筋でみられるCa2+ wave頻度を著名に抑制した。また機能亢進型RyR2変異マウスにおける不整脈に対し、明らかな抑制効果を示すことが分かった。 RyR2活性化作用を持つ化合物については、すでに3種類ほど見出しており、構造展開を実施中である。また、RyR2機能抑制型変異のモデルとしては、RyR2抑制型変異を有するマウス系統の作製は遅れているが、培養心筋細胞(HL-1)およびバキュロウイルスを用いた機能抑制型変異の検証ができるようになった。マウスの作製が完了するまで、RyR2活性化薬の検証については培養細胞系で行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RyR2抑制薬については、順調に進んでいる。RyR2活性化薬については、構造展開は行うもののまだ大きな進展は見られていない。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの作製を進めると共に、培養心筋細胞系を用いた検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
機能喪失型RyR2変異マウスの作製がうまくいかず遅れているため、その分のマウス飼育費や実験費を使用できなかったため、R5年度かそれ以降に使用するマウスが作製されてから使用する予定である。
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