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2023 年度 実施状況報告書

臓器特異的TRPM6/7機能抑制マウスを用いた新規病態モデル開発とその治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K06659
研究機関秋田大学

研究代表者

田頭 秀章  秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90735028)

研究分担者 岩本 隆宏  福岡大学, 医学部, 教授 (20300973)
沼田 朋大  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20455223)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードTRPチャネル / イオン輸送体
研究実績の概要

TRPM6/7は、生体内にユビキタスに発現しているMg透過性陽イオンチャネルである。MgはDNA/蛋白合成、生体エネルギー代謝、酵素活性など様々な生体機能の調節・維持に必須の2価カチオンであり、生体内Mg濃度はTRPM6/7等のMgチャネル・輸送体により巧みに制御されている。Mg代謝異常(低Mg血症、高Mg血症)は、様々な疾患を誘発することが知られており、中には高血圧、動脈硬化などの血管疾患や腎疾患等、人類の生命を脅かす疾患も含まれる。しかしながら、生体内Mg恒常性の破綻による循環器疾患発症の詳細な機序は不明である。本研究では、TRPM7を介した循環器疾患発症機序を明らかにし、TRPM7を標的とした新規治療法の確立を目指す。
本年度は、昨年度個体化に成功したTRPM7遺伝子改変マウスを用いて、循環器疾患モデルの作成を行った。興味深いことに、TRPM7遺伝子改変マウスを用いて、ある循環器疾患モデルを作成すると、野生型マウスと異なるフェノタイプを示すことが明らかとなった。細胞系においてもTRPM7ノックダウンおよび過剰発現系の検討を進めており、今後は、TRPM7を介した病態機序の解明を進めていく。また、他のTRPMファミリー遺伝子改変マウスの解析を行っており、こちらもある循環器疾患モデルを作成すると、野生型マウスと異なるフェノタイプを示すことが明らかとなった。現在、この遺伝子改変マウスより標的臓器細胞を単離・培養し、病態機序を解明すべく解析を進めており、来年度も引き続き実施予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前述の通り、TRPM7遺伝子改変マウスを用いて、ある循環器疾患モデルを作成すると、野生型マウスと異なるフェノタイプを示すことが明らかとなっている。また、他のTRPMファミリー遺伝子改変マウスの解析からも、TRPMチャネルは新規循環器疾患治療標的となる可能性を見出している。

今後の研究の推進方策

今後は、TRPM7遺伝子改変マウス、他のTRPMファミリー遺伝子改変マウスおよび細胞実験系を用いて、TRPMチャネルを介した循環器疾患発症機序の解明を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は、生化学的実験を予定より行わなかったため、費用が余る形となった。今年度は、循環器疾患発症機序を解明するため、生化学的実験を中心に行う予定であり、ほぼ全額使用予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] Louisiana State University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Louisiana State University
  • [雑誌論文] Cardioprotective effects of Moku-boi-to and its impact on AngII-induced cardiomyocyte hypertrophy2023

    • 著者名/発表者名
      Tagashira H, Abe F, Sato-Numata K, Aizawa K, Hirasawa K, Kure Y, Iwata D, Numata T.
    • 雑誌名

      Front Cell Dev Biol.

      巻: 11 ページ: 1264076

    • DOI

      10.3389/fcell.2023.1264076. eCollection 2023.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Rescue of murine hind limb ischemia via angiogenesis and lymphangiogenesis promoted by cellular communication network factor 2.2023

    • 著者名/発表者名
      Shimizu M, Yoshimatsu G, Morita Y, Tanaka T, Sakata N, Tagashira H, Wada H, Kodama S.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 13(1) ページ: 20029

    • DOI

      10.1038/s41598-023-47485-y.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Perineural treatment with anti-TNF-α antibody ameliorates persistent allodynia and edema in novel mouse models with complex regional pain syndrome2023

    • 著者名/発表者名
      Shibata S, Tagashira H, Nemoto T, Kita S, Kita T, Shinoda Y, Akiyoshi K, Yamaura K, Iwamoto T.
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci.

      巻: 153(1) ページ: 1-11

    • DOI

      10.1016/j.jphs.2023.06.003.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Moku-boi-to’s Defensive Mechanism Against ET-1-Induced Cardiac Damage2024

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Tagashira, Fumiha Abe, Tomohiro Numata
    • 学会等名
      第101回日本生理学会大会
  • [学会発表] Elucidation of protective mechanism against AngII-induced cardiomyocyte injury by Moku-boi-to2023

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Tagashira, Fumiha Abe, Tomohiro Numata
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会・第44回日本臨床薬理学会学術総会

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公開日: 2024-12-25  

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