研究課題/領域番号 |
22K06666
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
臼杵 克之助 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30244651)
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研究分担者 |
荻田 亮 大阪公立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (00244624)
藤田 憲一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10285281)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アンチマイシン / 天然物化学 / 抗生物質 / サイトカイン産生抑制 |
研究実績の概要 |
アンチマイシンA3に代表される放線菌由来アンチマイシン系抗生物質は、ミトコンドリア内膜電子伝達系への呼吸阻害作用に起因する抗菌活性のみならず、免疫抑制作用なども示すことが知られている。複数のエステル結合からなるマクロラクトン環構造をもたないアンチマイシン系抗生物質も報告されていることから、2022年度は構造活性相関研究への展開を見据えて、ネオアンチマイシン生産菌が産生したイソネオアンチマイシンの化学合成による絶対立体配置の決定に着手した。また、デヒドロブチリン残基を有するオパンチマイシン A の不飽和アミノ酸残基を改変した誘導体の化学合成に着手した。
各構成ユニットの立体化学がネオアンチマイシンのそれらと同一であると仮定して、想定される標的化合物の合成を検討した。まず、向山アルドール反応を用いてγ-ラクトン部位を構築し、対応するアミノ酸由来の2つのフラグメントをそれぞれ合成した後に縮合した。最終段階でサリチル酸誘導体を導入することで、標的化合物の合成を達成した。合成品の各種スペクトルデータは天然物について報告されているものと良い一致を示し、イソネオアンチマイシンの絶対立体配置を決定することができた。同時に、γ-ラクトン部位の立体化学が異なる誘導体も合成し、あわせて生物活性評価に供した。その結果、RAW264.7細胞に対する細胞毒性を示すが、炎症性サイトカイン産生抑制活性および呼吸酵母Rhodotorula mucilaginosa NBRC0001に対する抗菌活性を示さないことが判明した。また、反応条件を精査することで、オパンチマイシン A 誘導体の合成経路を確立することができた。本研究成果より、アンチマイシン系抗生物質を基盤とする化合物ライブラリーの構築、構造活性相関研究へと展開するために有益な知見が与えられたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、イソネオアンチマイシンの全合成による絶対立体配置決定にも成功し、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
9員環ジラクトン構造を有するウラウチマイシン類の全合成に着手する。出芽酵母の野生株には作用するが、呼吸欠損株には作用しないことを指標として天然由来成分からの呼吸阻害剤を探索し、NMR、MS分析にて構造決定する。さらに、これまでに私たちが達成した12員環トリラクトン構造および、15員環テトララクトン構造を有するアンチマイシン系抗生物質の全合成に用いた同様の手法により、種々の誘導体を網羅的に合成する。得られた化合物ライブラリーを抗菌活性評価、サイトカイン産生抑制活性評価に供してその生物活性を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
有機合成用試薬、生物活性評価用試薬など消耗品のストックがあり、消費が予想外に少なかった。
有機合成用試薬、生物活性評価用試薬、ガラス器具、プラスチック器具など消耗品の購入に充てる。
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