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2022 年度 実施状況報告書

ロコモ改善を志向した骨代謝を制御する天然機能分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K06670
研究機関日本大学

研究代表者

矢作 忠弘  日本大学, 薬学部, 助教 (40632766)

研究分担者 小川 拓哉  国際医療福祉大学, 薬学部, 准教授 (30457147)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード骨粗しょう症 / ロコモティブシンドローム / 骨形成 / 骨芽細胞 / 骨格筋細胞
研究実績の概要

天然資源からロコモ改善を志向した骨代謝を制御する天然機能分子を探索するために、R4年度はこれまでに骨形成作用が認められたアカボシタツナミソウScutellaria rubropunctataやシマエンジュ Maackia tashiroi の成分探索および活性評価を行った。また、研究対象を広げるために、琉球弧エリアにおける植物環境調査を実施し、エキスライブラリーの新規構築を行った。さらに、千葉県の未利用資源であるラッカセイの殻にも着目し、活性評価を行った。
1)アカボシタツナミソウから得られたポリメトキシフラボンの骨形成に対する影響を検討したところ、これまで明らかにしたRunx2やOsteopontinなどのmRNAの発現増加は、Smadファミリーの活性化を介していることが明らかとなった。また、シマエンジュからはメトキシイソフラボンを単離した。この化合物は骨芽細胞の分化促進作用を有し、Runx2やOsteopontinなどのmRNAの発現増加をさせることが明らかとなった。今後これらの化合物の骨格筋細胞への影響を検討していく予定である。
2)これまでにも、本州と植生も異なる沖縄や奄美大島などの地域の植物環境調査を行ってきたが、R4年度は石垣島および冬の沖縄本島の調査を行った。石垣島(2022年10月)では302種、冬の沖縄本島(2023年2月)では132種の植物を採集した。現在これらを枝や葉などの部位ごとに分け、70%エタノールで抽出することによりエキスを作製中である。
3)千葉県の特産物であるラッカセイの非利用部位である殻についてエキスを作製し、骨芽細胞分化促進活性試験を行ったところ、3μg/mLの濃度において促進活性が認められた。現在活性化合物の探索を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

骨形成に関する活性評価は順調に行えているが、骨格筋細胞側の評価法の確立やスクリーニングの実施が行えていないため、次年度に早急に対応したい。これらのことから「やや遅れている」と評価した。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた化合物の骨格筋細胞(C2C12)に対する影響を検討するとともに、植物環境調査により得られた植物をエキス化し、骨格筋細胞関連への影響を検討するスクリーニングを行う予定である。活性の認められた植物については、現地でのサンプル採集も行いたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

R4年度の未利用額はスクリーニング用の試薬代である。R4年度は新たに石垣島および沖縄 (冬)のエキスライブラリーを構築したが、スクリーニングで評価を行うまでには至らなかった。そのため、次年度の使用額と合わせてスクリーニング用の試薬代として使用する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 17β-neriifolin from unripe fruits of Cerbera manghas suppressed cell proliferation via the inhibition of HOXA9-dependent transcription and the induction of apoptosis in the human AML cell line THP-12023

    • 著者名/発表者名
      Takase S, Yun YS, Moriya F, Sekine S, Yotsumoto S, Miyake K, Yahagi T, Ito A, Inoue H
    • 雑誌名

      J Nat Med

      巻: 77 ページ: 180-187

    • DOI

      10.1007/s11418-022-01659-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A-E: 30-norfriedelane-type triterpenes from Anchietea pyrifolia2022

    • 著者名/発表者名
      Yoneda Y, Yahagi T, Harada K, Okamoto Y, Motai S, Matsuzaki K, Kubo M, Fukuyama Y, Ohsaki A
    • 雑誌名

      Phytochemistry

      巻: 203 ページ: 113388

    • DOI

      10.1016/j.phytochem.2022.113388

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of a Whole Plant Extract of Scutellaria rubropunctata var. rubropunctata on Bone Metabolism with Estrogen Receptor Activation.2022

    • 著者名/発表者名
      Watanabe M, Yahagi T, Shirayama T, Miyake K, Kotani H, Ogawa T, Matsuzaki K
    • 雑誌名

      Plants

      巻: 11 (16) ページ: 2075

    • DOI

      10.3390/plants11162075

    • 査読あり
  • [学会発表] エストロゲン受容体転写促進活性を有するシマエンジュからの骨形成促進成分の探索2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺 美咲、矢作 忠弘、福富 遥都、五十嵐 紗英、小谷 仁司、三宅 克典、松﨑 桂一
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会 (札幌)
  • [学会発表] T細胞分化制御活性を有する天然化合物の解析2022

    • 著者名/発表者名
      小谷 仁司、片川 和明、矢作 忠弘、井上 誠、原田 守
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会 (札幌)
  • [学会発表] 立体画像化した生薬標本を科名別に分類したWebサイトの構築について2022

    • 著者名/発表者名
      仲田 帆花、張替 里菜、東田 侑大、中野 航平、矢作 忠弘、高宮 知子、松﨑 桂一、小林 宏司
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会 (札幌)
  • [学会発表] 立体画像化した生薬標本を和名順に分類したWebサイトの構築について2022

    • 著者名/発表者名
      張替 里菜、仲田 帆花、東田 侑大、中野 航平、矢作 忠弘、高宮 知子、松﨑 桂一、小林 宏司
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会 (札幌)
  • [学会発表] ウラルカンゾウの竹筒栽培法2022

    • 著者名/発表者名
      三宅克典, 石川真裕,大場深蒼,矢作忠弘, 野崎香樹
    • 学会等名
      薬用植物栽培研究会第4回研究総会
  • [学会発表] 千葉県特産ラッカセイ殻由来イソフラバノールの脂肪細胞に対する影響2022

    • 著者名/発表者名
      石渡隆太、櫻井菜央、野伏康仁、矢作忠弘、松﨑桂一、岸川幸生
    • 学会等名
      第66回日本薬学会関東支部大会
  • [学会発表] T 細胞分化制御活性を有する天然化合物の解析2022

    • 著者名/発表者名
      小谷仁司, 矢作忠弘, 片川和明, 原田 守
    • 学会等名
      日本生薬学会第68回年会
  • [学会発表] アカボシタツナミソウ由来ポリメトキシフラボンの骨形成に対する影響2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺美咲, 矢作忠弘, 福富遥都, 上倉りな, 三宅克典, 小谷仁司, 松﨑桂一
    • 学会等名
      日本生薬学会第68回年会
  • [学会発表] 天然資源に着目した骨代謝を調節する骨疾患治療薬の探索2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺美咲、矢作忠弘、三宅克典、小谷仁司、小川拓哉、松野倫代、川原信夫、松﨑桂一
    • 学会等名
      第24回日本骨粗鬆症学会

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公開日: 2023-12-25  

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