研究課題/領域番号 |
22K06706
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
鈴木 陽介 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (10737191)
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研究分担者 |
田中 遼大 大分大学, 医学部, 准教授 (30781736)
小山 晃英 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40711362)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | バイオマーカー / 薬物動態 / ゲノムワイド関連解析 / メタボローム解析 |
研究実績の概要 |
本研究は、ゲノムワイド関連解析とメタボローム解析を導入した分野横断的な手法により、薬物代謝酵素や薬物トランスポーターなどの各種の薬物動態関連因子の活性を反映する新規バイオマーカーを探索することを目的とする。令和5年度の研究実績は以下のとおりである。
1. メタボローム解析:J-MICC Studyに参加した一般成人449名の血漿サンプルを対象に、前年度に確立した手法でメタボローム解析を実施した。サンプルの前処理は固相抽出法または液-液抽出法で実施し、UPLC条件として逆相または順相カラムを利用した2パターンを採用し、それぞれのカラムに適した移動相およびグラジエント条件にて分析を行った。QTOF/MSはポジティブまたはネガティブイオンモードでの測定条件を設定し、それぞれにおいて1回の分析でプリカーサーイオンとフラグメントイオンの両方の情報を網羅的に収集した。蓄積されているゲノムワイド関連解析の結果から収集した各薬物動態関連因子の遺伝子多型から判断して、対象者を低活性型および高活性型に分類し、メタボローム・プロファイルと統合したデータセットを構築した。
2. CYP3A5、CYP2C19、CYP2D6およびOATP1B1活性に関連するバイオマーカーの探索:部分最小二乗判別分析による多変量解析を行い、それぞれの薬物動態関連因子の活性に関連するバイオマーカーを探索した。その結果、CYP3A5、CYP2C19、CYP2D6およびOATP1B1の活性に関連するバイオマーカーの候補として、それぞれ15、15、49および14種類の化合物が検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般成人を対象にしたメタボローム解析が完了し、4種の薬物動態関連因子の活性に関連する化合物の検出に成功しており、当初の目標をおおむね達成していると考え、上記の区分の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、CYP2C9、CYP1A2、MRP2などその他の薬物動態関連因子を対象に解析を進め、バイオマーカー候補となる化合物の探索を行う。また、入院患者を対象にしたメタボローム解析も実施し、一般成人を対象として検出されたバイオマーカー候補の再現性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者による患者リクルートと遺伝子多型情報の収集を次年度に集中して行うため、費用の繰越が生じた。繰越金は次年度におけるこれらの費用に充てる予定である。
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