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2022 年度 実施状況報告書

腎細胞がんの遺伝子変異に着目したプロリン水酸化酵素阻害薬の安全性評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K06734
研究機関藤田医科大学

研究代表者

水野 智博  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40711669)

研究分担者 坪井 直毅  藤田医科大学, 医学部, 教授 (50566958)
白木 良一  藤田医科大学, 医学部, 教授 (70226330)
高橋 和男  藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードHIF-PHI / VHL
研究実績の概要

2022年度は、①HIF-PH阻害薬(HIF-PHI)がvon Hippel-Lindau(VHL)腫瘍抑制因子変異株の増殖に与える影響、②HIF-PHIが抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにすることを目標として研究計画を遂行した。
VHL腫瘍抑制因子変異株およびVHL腫瘍抑制因子非変異株をBALB-nu/nuマウス(ヌードマウス)へ異種移植し、用量はマウス用に増量したものの、用法は実臨床と同じ設定とし、ロキサデュスタットを週3回0-200 mg/kgにて、経口投与を行った。200mg/kg投与群では、一部の個体が投与開始から21日以内に死亡した。同投与群では、ロキサデュスタットによる毒性が認められた可能性が否定できないため、腫瘍径の比較はコントロール(0mg/kg),50,100mg/kg投与群間で実施した。ロキサデュスタット投与後の腫瘍径を比較したところ、VHL変異株では、ロキサデュスタット投与による腫瘍増殖が認められなかったものの、VHL非変異株では用量依存的な腫瘍径の増加が認められた。加えて、上記個体群の血中ヘモグロビン値を測定したところ、100mg/kg投与群のみ、コントロール群と比較して、統計学的に有意なヘモグロビン値の上昇が認められた。
HIF-PHIが抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにするため、腫瘍増殖が認められたロキサデュスタット100mg/kg投与群に対し、VEGF受容体阻害薬(アキシチニブ)およびmTOR阻害薬(エベロリムス)を用いた治療実験を行った。アキシチニブ投与群では抗腫瘍効果が認められなかったものの、エベロリムス投与群では、用量依存的な腫瘍増殖抑制効果が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2022年度は、①HIF-PHIがVHL腫瘍抑制因子変異株の増殖に与える影響、②HIF-PHIが抗がん剤耐性獲得に与える影響を明らかにすることを目標としており、双方の目的を達成することができたため、研究計画は順調に進展している。HIF-PHI投与後の血中ヘモグロビン値上昇に関しては、当初の計画にない成果であり、想定以上に計画が進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

VEGF受容体阻害薬に対する耐性獲得に至ったメカニズムの解明を行う。また、フマル酸ヒドラターゼ(FH)変異株の作成を行い、VHL腫瘍抑制因子変異以外の遺伝子変異が、HIF-PHIによる腫瘍増殖作用に与える影響を検証する。

次年度使用額が生じた理由

当初の想定より早く初年度の研究計画が完了したため、次年度実施予定計画用の予算として使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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