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2022 年度 実施状況報告書

咀嚼のパターン運動形成回路におけるプレモーターニューロン連関性の解剖学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06824
研究機関岡山理科大学

研究代表者

松井 利康  岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (90531343)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード運動ニューロン / 脳神経運動核 / 脳幹網様体 / コリン作動性ニューロン / 介在ニューロン
研究実績の概要

咀嚼には脳幹の運動ニューロンの協調活動が必要であり,その調節・連携にプレモーターニューロンが出力細胞として関与する.脳幹網様体にはコリン作動性やセロトニン作動性のプレモーターニューロンが分布し,脳神経運動核の運動ニューロンに連絡する.本研究ではまず,コリン作動性プレモーターニューロンに注目し,咀嚼運動の発達が起こるマウス胎子期から生後発達期において,そのシナプス形態と機能分子発現の変化を調べた.胎齢17日の脳神経運動核においては,プレモーターニューロンに由来するコリン作動性終末が運動ニューロンに接してごく少数存在した.その終末数は生後0日,4日,8日と経時的に増加が見られた.また,胎齢17日において脳神経運動核の亜核をニッスル染色により区分し,各亜核の運動ニューロンあたりのコリン作動性終末数を比較したところ,その出現時期と数が三叉神経運動核の内側亜核と外側亜核で異なっていた.現在,マウス胎齢・日齢の解析対象を広げるとともに,シナプス後部となる運動ニューロンにおける受容体発現などを解析している.
セロトニン作動性プレモーターニューロンについては,脳幹網様体に逆行性トレーサーを注入し,注入部位と神経連絡をもつセロトニン作動性ニューロンを探している.また合わせて,運動ニューロンおよびコリン作動性プレモーターニューロンに入力するセロトニン作動性終末を免疫組織化学で標識し,セロトニン作動性神経が運動ニューロンの活動調節に関与するか形態学的解析を行なっている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウス生後発生期に加えて,胎児期の脳神経運動核におけるコリン作動性神経終末(C-terminal)の機能解析を免疫組織化学を中心に行なった.当初計画のとおり,運動ニューロンに対するコリン作動性入力の解析は進んでいる.セロトニン作動性プレモーターニューロンと脳神経運動核運動ニューロンとの神経連絡に関しては,現在神経トレーサーを用いた解析を行なっているが,やや計画より研究が遅れている.

今後の研究の推進方策

胎児期および生後発生期において,脳神経運動核運動ニューロンに対するコリン作動性シナプスの分子発現変化と機能成熟が明らかになってきた.次年度も引き続き,コリン作動性シナプスの機能分子の発現解析を継続するとともに,セロトニン作動性シナプスの分子発現も検討する予定である.また,神経活動マーカーのcFosまたはArcの発現に基づいて,コリン作動性またはセロトニン作動性のプレモーターニューロンがどの発生時期から活動するのか解析を進める.コリン作動性プレモーターニューロンに対するセロトニン作動性投射の可能性についても検討する計画である.

次年度使用額が生じた理由

神経トレーサーの注入標本のデータ解析に時間を要したため,抗体購入などの使用額が当初見込みより少なくなった.全体の研究計画に変更はないことと,研究遂行に必要な機材が出たため,次年度にその機材購入費に充てる予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 脊髄・脳幹のコリン作動性ニューロンのトレーシング:伝達物質に基づく神経連絡の可視化2022

    • 著者名/発表者名
      松井利康、小林靖
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 40 ページ: 726-730

  • [学会発表] 脊髄・脳幹のコリン作動性介在ニューロンのトレース2022

    • 著者名/発表者名
      松井利康、本郷悠
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会・全国学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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