研究課題/領域番号 |
22K06838
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
入江 智彦 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 主任研究官 (20546551)
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研究分担者 |
伊藤 哲史 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90334812)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 非選択的陽イオンチャネル |
研究実績の概要 |
20日齢前後のC57/BL6マウスから聴覚系中枢を含む新鮮脳幹スライス標本を作製し、in vitroホールセルパッチクランプ法によりカートホイール細胞から電気生理学的記録を行った。電位固定下で保持電流を記録しながら、低濃度(0.1mM)のCa2+を含む細胞外液を投与した所、150pA程度の内向き電流が生じた。NALCNは生理学的な濃度の細胞外Ca2+で阻害されるので(Chua et al., 2020)、この内向き電流は生理学的なCa2+濃度(2mM)で阻害されていたNALCNが開いて生じた電流と考えられる。更にアドレナリン受容体のアゴニストであるノルアドレナリンを投与した所、低濃度Ca2+で生じた内向き電流が打ち消された。この事は開いたNALCNはアドレナリン受容体からのシグナルにより閉じた可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
米国Jackson LabからのNALCNflox/floxマウスの導入が遅れており、ノックアウトマウスを用いた実験の実施が行えていない。NALCNflox/floxマウスのコロニーが廃止され、凍結胚の形でしか入手が出来ない状況である。これと前後して、共同研究先の米国のラボがコロニーが廃止される前にこのfloxマウスの入手した。それゆえ、今後のコンディショナルノックアウトマウスを用いた実験の部分に関しては米国のラボに分担してもらい実験を進めてもらう可能性が考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
NALCNfloxマウスが共同研究先の米国のラボに導入された事を踏まえ、コンディショナルノックアウトマウスでの実験は米国で行って貰い、野生型を用いた実験を研究代表者側で実施するという方針を現在は考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子改変マウスの導入が遅れているため、次年度使用額が生じた。
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