研究実績の概要 |
セピアプテリン還元酵素(SPR)遺伝子の第1エクソンの5’上流にloxPサイト、第2-第3エクソン間のイントロンにFRT-pgk-ネオマイシン耐性遺伝子-FRTとその3‘下流にloxPサイトを挿入したマウスと、ヒトドパミンβ水酸化酵素(DBH)プロモーター-Cre-ERTトランスジェニックマウスを交配し、Sprfl/fl, Cre-ERT、Sprfl/fl、Sprfl/+マウスを作成した。次いでこのマウスにタモキシフェン(Tam)を投与し、Spr遺伝子を誘導的に破壊したTamを投与しない段階で、Sprfl/fl, Cre-ERTマウス、Sprfl/flマウスでは、副腎(Ad)でのSPRの発現量はC57BL/6の5.3%および7.6%、Sprfl/+マウスでは47.3%に低下していた。Adのビオプテリン(Bio), ノルエピネフリン(NE), エピネフリン(Epi,) ドパミン(DA)の量はC57BL/6、Sprfl/fl、Sprfl/fl, Cre-ERT、 Sprfl/+間で有意差がなかった。Sprfl/fl, Cre-ERT、Sprfl/fl、C57BL/6 (6-7カ月齢、♀マウス、n=3)に対しTam 1 mgを連続5日間腹腔内投与し4週間後に組織の生化学的解析を行ったところ。Sprfl/fl, Cre-ERTマウスの副腎(Ad)でエクソンの除去が検出された。Tam を投与したSprfl/fl, Cre-ERTマウスのAdのBioはSprfl/fl、C57BL/6と差がなかったが、EpiおよびDAはC57BL/6に比べて有意に減少していた。Adでは髄質細胞でのBH4産生が低下しそれに伴ってDAと最終産物のEpiが減少したが、チロシン水酸化酵素(TH)のリン酸化状態を変化させるには十分ではないと考えられた。
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