研究課題/領域番号 |
22K06894
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 茜 (井上茜) 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90541970)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 腫瘍幹細胞 |
研究実績の概要 |
腫瘍組織に存在し腫瘍の構築と維持を担う「腫瘍幹細胞」の多様なマーカー分子が同定され、癌治療標的として期待されている。しかしながら既知の腫瘍幹細胞マーカーの多くは正常幹細胞においても発現しており、より特異性の高い安全な治療の実現に向けて、腫瘍特異的な幹細胞マーカーの同定が希求されている。研究代表者は独自の先行研究により、腫瘍特異的な腸管幹細胞マーカーとして正常幹細胞で検出されず腫瘍化により誘導される細胞膜タンパク質を見出した。
本成果を踏まえ本研究では、当該マーカー遺伝子座にCreERT2遺伝子を挿入したノックインマウスの樹立とその応用により1)マーカー分子陽性の上皮細胞の系譜解析をおこなうとともに、2)当該細胞の除去が腫瘍や正常組織に与える影響を精査し、腫瘍特異的な幹細胞マーカーを標的とする副作用の少ない治療法確立へ向けた基礎的知見の取得を目指す。本年度の研究おいては、上記1)、2)の実施へ向け、解析用マウスの作出を進めた。また、独自に見出した腸管幹細胞マーカー分子の機能解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」にも記載の通り、本年度は、独自に見出した腸管幹細胞マーカー陽性の上皮細胞の系譜解析や当該細胞の除去が組織に与える影響の解析に必須の遺伝子組み換えマウス作出へ向けた交配を進めたが完成に至らなかった。それ故上記区分を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍特異的な幹細胞マーカーを標的とする副作用の少ない治療法確立へ向けた基礎的知見を取得すべく、当初の計画に沿った研究を着実に推進する。腸管幹細胞マーカー陽性の上皮細胞の系譜解析や当該細胞の除去が組織に与える影響の解析に必須のマウス作出のための交配については体外受精による個体作出システムを利用し効率化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた納品が間に合わなかったため。
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