研究実績の概要 |
NRBP1-BRI2間の相互作用を阻害する中分子化合物の探索: 理化学研究所の創薬・医療技術基盤プログラム(理研DMP)の支援のもと、タンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction; PPI)の阻害を予測して分子設計・合成され、かつ合成展開が可能なAMED中分子化合物(A; 9,000化合物、B; 6,000化合物の合計15,000サンプル)のライブラリーを対象にハイスループットスクリーニング(HTS)を実施した。尚HTSには、分泌型Gaussia ルシフェラーゼ(Gluc)をN末側(luci; Gn)とC末側(ferase; Gc)の2つの断片に分割して、それぞれをBRI2、NRBP1と連結させ、両融合体を培養動物細胞で共発現させた際、BRI2とNRBP1が相互作用できる場合に限り、GnとGcが近接して培養上清のGluc活性が再構成されて基質添加後に発光が検出されるが、化合物によりBRI2とNRBP1間の相互作用が阻害されると発光が検出されなくなる二分子発光補完法を用いた。 一次評価では、化合物濃度5 μMにて、NRBP1-BRI2間相互作用に対する阻害率が50%以上かつ細胞増殖阻害率が40%以下を示すことを基準に321個の化合物を選抜した。次いで二次評価では、NRBP1-BRI2間相互作用阻害の濃度依存性試験、偽陽性を排除するための全長Glucを用いたカウンター試験および細胞毒性試験の結果を基に19個の化合物を選抜した。 今後は、これらヒット候補化合物が内在性BRI2増加とAmyloid β産生抑制を誘導可能かどうか細胞系評価を実施する予定である。
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