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2022 年度 実施状況報告書

UFM1修飾を介した小胞体選択的オートファジーの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06931
研究機関順天堂大学

研究代表者

石村 亮輔  順天堂大学, 医学部, 助教 (00816960)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード小胞体選択的オートファジー / ER-phagy / UFM1 / Ufmylation / CYB5R3
研究実績の概要

ユビキチン様タンパク質(UBL)によるタンパク質修飾は、限られたゲノム情報を増幅し、オートファジーや抗ウイルス経路を含む多様な細胞内プロセスを制御する。UFM1システムはユビキチン様修飾システムの一つであり、基質タンパク質をUFM1修飾することで、基質の機能変換を引き起こす。UFM1システムは、小胞体関連タンパク質分解、小胞体でのリボソーム関連品質管理(ER-RQC)、小胞体のオートファジー(ER-phagy)に関与することが報告されているが、UFM1システムが異なる小胞体関連機能をどのように制御しているかは依然として不明である。今回、我々はUFM1の新規基質として、小胞体膜に局在するNADH-シトクロムb5還元酵素3(CYB5R3)を同定した。CYB5R3のUFM1化は、小胞体上のUFM1 E3リガーゼコンポーネントであるUFL1およびUFBP1に依存しており、UFM1化によりCYB5R3の構造変換が起こることが示唆された。UFM1化CYB5R3は小胞体ごとリソソームにおいて分解されると考えられるが、この分解にはオートファジー関連タンパク質Atg7と選択的オートファジー受容体タンパク質CDK5RAP3が必要であった。CYB5R3やUFM1システムに関わる遺伝子の変異は小頭症を伴う小児てんかん性脳症を引き起こすことが知られているが、Ufmylation欠損Cyb5r3ノックインマウスも小頭症を呈した。これらの結果は、UFM1化を介したER-phagy障害が小児てんかん性脳症の原因となることを示唆する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究課題であるUFM1修飾による小胞体選択的オートファジーの制御機構についてまとめ学術誌に報告した。

今後の研究の推進方策

Alphafold2を用いてE3複合体の構造予測を行った。得られた構造から相互作用領域・モチーフの変異体を作製しE3複合体の機能解析を行うことで小胞体関連機能の制御機構を解析予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The UFM1 system regulates ER-phagy through the ufmylation of CYB5R32022

    • 著者名/発表者名
      Ishimura R, El-Gowily AH, Noshiro D, Komatsu-Hirota S, Ono Y, Shindo M, Hatta T, Abe M, Uemura T, Lee-Okada HC, Mohamed TM, Yokomizo T, Ueno T, Sakimura K, Natsume T, Sorimachi H, Inada T, Waguri S, Noda NN, Komatsu M.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41467-022-35501-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] UFM1システムはCYB5R3のUFM1化を介してER-phagyを制御する2022

    • 著者名/発表者名
      石村亮輔, 能代大輔, 植村武文, 和栗聡, 野田展生, 小松雅明
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会 第78回学術講演会
  • [学会発表] UFM1システムによるER&-phagy制御ーその異常と遺伝性脳症ー2022

    • 著者名/発表者名
      石村亮輔
    • 学会等名
      第64回日本小児神経学会学術集会 シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] UFM1システム:Alphafold2構造予測からわかったUFM1システムの作動原理2022

    • 著者名/発表者名
      石村亮輔, 能代大輔, 植村武文, 和栗聡, 野田展生, 小松雅明
    • 学会等名
      第30回日本Cell Death学会学術集会
  • [学会発表] Alphafold2構造予測からわかったUFM1システムの作動原理2022

    • 著者名/発表者名
      石村亮輔, 野田展生, 小松雅明
    • 学会等名
      第95回 日本生化学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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