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2022 年度 実施状況報告書

新規脂質染色と組織透明化を組み合わせた断端がんの3次元病理診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K06960
研究機関愛媛大学

研究代表者

川上 良介  愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40508818)

研究分担者 村上 正基  愛媛大学, 医学系研究科, 特任教授 (20278302)
仁子 陽輔  高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 助教 (20782056)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード3次元イメージング
研究実績の概要

本年度において実施した研究について、ソルバトクロミズムを呈する色素2種類について、その染色性をマウスの各種臓器について検討を実施した。まず始めにPFA固定したマウス組織ブロックの透明化について、LUCIDをベースとしてその透明化の程度について検討を実施した。透明化については臓器により差が観られたが、顕微鏡観察に対して障害となるレベルではないことが示された。透明化した各種組織に対してソルバトクロミック色素染色を施した後、共焦点顕微鏡および2光子レーザー顕微鏡を用いた3次元マルチカラーイメージングを実施し、組織を構成する個々の細胞形態の3次元DATAを取得した。その結果、顕著な細胞形態情報が得られる組織についての重要な情報が得られている。今後、新規合成する色素についての基準として重要な成果である。また、ヒト皮膚組織において、乳房外パジェット病の透明化固定病理組織ブロックに対するソルバトクロミック色素染色による観察例を増やし、個々のがん細胞が3次元的に観察することが出来ることを示す原著論文として投稿、掲載された。また、新規化合物としてソルバトクロミック色素および脂質染色のための色素をさらに改良し、がん細胞の脂質膜上で色調が大きく変化する新たな化合物の合成を試みている。新規合成した一部の色素について、生きたままのマウス皮膚組織染色に有効である可能性が示唆されており、今後の研究の方向について研究分担者との連携を密にして進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度における研究の進捗について原著論文2報もあり、ほぼ計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、新規合成色素の性能についての評価を優先し、ヒトおよびマウス組織のがんイメージングに最も有効な色素を採用したのちに個々の組織中がん細胞のイメージングを実施していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスが落ち着かず、またウクライナの問題で予定していた海外の国際学会への参加・発表について延期したため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Research letter: A new fluorescent three‐dimensional and deep‐imaging technique for histological identification of individual tumor cells in extramammary Paget's disease2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami Masamoto、Kawakami Ryosuke、Niko Yosuke、Tsuda Teruko、Imamura Takeshi
    • 雑誌名

      Experimental Dermatology

      巻: 32 ページ: 712~714

    • DOI

      10.1111/exd.14759

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] NIR-II-Excitable Dye-Loaded Nanoemulsions for Two-Photon Microscopy Imaging of Capillary Blood Vessels in the Entire Hippocampal CA1 Region of Living Mice2022

    • 著者名/発表者名
      Matsuura Hitomi、Kawakami Ryosuke、Isoe Maki、Hoshihara Masaharu、Minami Yuya、Yatsuzuka Kazuki、Tsuda Teruko、Murakami Masamoto、Suzuki Yasutaka、Kawamata Jun、Imamura Takeshi、Hadano Shingo、Watanabe Shigeru、Niko Yosuke
    • 雑誌名

      ACS Applied Materials & Interfaces

      巻: 14 ページ: 40481~40490

    • DOI

      10.1021/acsami.2c03299

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 最先端の光学顕微鏡がみせる皮膚の多次元世界2022

    • 著者名/発表者名
      川上良介
    • 学会等名
      第121回日本皮膚科学会総会
    • 招待講演
  • [産業財産権] 化合物、蛍光色素剤、キット、細胞の検出方法、及び、染色用材料2023

    • 発明者名
      仁子陽輔戸内由希橋本拓弥村上正基川上良介津田照子今村健志
    • 権利者名
      仁子陽輔戸内由希橋本拓弥村上正基川上良介津田照子今村健志
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023- 47897

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公開日: 2023-12-25  

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