研究課題/領域番号 |
22K06961
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
阿萬 紫 宮崎大学, 医学部, プロジェクト研究員 (50444790)
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研究分担者 |
小田 智昭 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (00884743) [辞退]
田村 直顕 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90402370)
魏 峻洸 宮崎大学, 医学部, 助教 (30794656)
若狹 朋子 近畿大学, 奈良病院, 教授 (70281269)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 教授 (90372797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 羊水塞栓症 / 血栓 / 妊産婦死亡 |
研究実績の概要 |
羊水塞栓症は妊産婦死亡の主な原因疾患の一つであり、羊水成分である角化物や粘液物などが母体循環に流入することにより発症する産科重症疾患である。呼吸困難、ショックなどを来たし、播種性血管内凝固症候群を合併することが認識されている が、主病態である心肺虚脱や消費性凝固障害の機序は明確ではない。本研究では羊水塞栓症の剖検例および対照として肺血栓塞栓症の剖検症例を用いて、羊水流入に伴う血栓形成の有無やその組成、肺血栓塞栓症にて形成される血栓との違いを明らかにすることとした。 まず、肺動脈の血栓と子宮静脈の血栓の血栓面積を測定し、それらの組成を血小板糖タンパクIIb/IIIa、フィブリン、好中球エラスターゼ、好中球細胞外トラップの免疫組織化学で検討した。羊水塞栓症では羊水成分の塞栓に加えて、子宮静脈や広範の肺小動脈や毛細血管内に血栓形成を認めた。羊水塞栓症の肺内血栓は、子宮静脈血栓や肺血栓塞栓と比して有意に小さい血栓であった。羊水塞栓症の肺内血栓では子宮静脈血栓や肺血栓塞栓と比して血栓に占める血小板の割合が有意に高く、フィブリンや好中球細胞外トラップの割合は低かった。 以上の研究結果から羊水の血管内流入に伴う広範な肺小血管の血栓形成が心肺虚脱に、子宮静脈における血栓形成が消費性凝固障害に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究において、羊水の血管内流入に伴う広範な肺小血管の血栓形成が心肺虚脱に、子宮静脈における血栓形成が消費性凝固障害に関与することが示唆される結果を得ており、研究開始時の仮説を証明するための研究が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
臨床情報と血栓の組織学的所見、免疫組織学的結果の相関性を検討評価する。生体外血栓形成・測定装置を用いて羊水による血小板凝集反応や血液凝固反応の動態、補体の活性化を明らかにする。
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