• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

後天性嚢胞腎を背景として発生する腎細胞癌の前駆病変の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06964
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

小島 史好  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70770585)

研究分担者 松崎 生笛  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60647428)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード後天性嚢胞腎 / 分子病理学的解析 / 後天性嚢胞腎症随伴腎細胞癌 / 前駆病変 / 異型嚢胞
研究実績の概要

本研究は後天性嚢胞腎症随伴腎細胞癌(ACD-RCC)の発生メカニズムを解明することを目的としている。後天性嚢胞腎にはACD-RCCと同様な好酸性細胞で裏装された嚢胞が観察され、ACD-RCC-like cystと呼ぶ研究者もいる。この嚢胞裏装上皮には増殖性変化がみられ、ACD-RCCとの連続性がうかがわれることから、ACD-RCCの前駆病変と推定されているが、この仮説は分子病理学的には証明されていない。そこで我々はACD-RCC-like cystからACD-RCCが発生することを分子病理学的に証明することにした。研究開始に先立ち、当施設の倫理委員会により本研究の実施が承認された。14患者から36の材料(ACD-RCC: 10例、ACD-RCC-like cyst: 8例、分類不能腎細胞癌: 5例、背景腎: 13例)を解析対象とした。近年、ACD-RCCにKMT2CとTSC2の異常が報告されており、我々はこの2つの遺伝子に着目し、ACD-RCCとACD-RCC-like cystにおいて、これら2つの遺伝子変異が観察されるか、当教室が保有するNGSを用いて解析した。解析の第一段階として、KMT2CとTSC2の全エクソン領域を対象としてACD-RCC4症例について解析した。1000人ゲノムとExACのデータから>1%の頻度で見られるバリアントを一塩基多型とみなし、リード深度<100のバリアントはデータの信頼性が乏しいため、除外した。検出された多数のバリアントの中から、繰り返し観察されたバリアントを含むように、解析対象領域を設計し、第二段階として残りのACD-RCCに対して、ターゲットゲノムシークエンスを現在施行中である。現在までの解析でACD-RCCは多数のKMT2CとTSC2のバリアントを有することが明らかとなったが、まだこれらのバリアントの意義については、解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度にあたるが、当初の研究計画の通り、倫理委員会による研究の承認、研究対象症例の集積を終え、分子病理学的解析の第一段階まで完遂することができた。

今後の研究の推進方策

今後は、現在進行中であるACD-RCC、ACD-RCC-like cyst、背景腎に対する、KMT2CとTSC2のターゲットシークエンスを完遂し、その結果得られたバリアントの意義について解釈するとともに、ACD-RCCとACD-RCC-like cyst、背景腎間の両遺伝子変異の有無と相違から、KMT2CとTSC2のACD-RCCの発生に関する意義を解釈する。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi