研究課題/領域番号 |
22K06967
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高橋 博之 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (60377330)
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研究分担者 |
三枝 信 北里大学, 医学部, 教授 (00265711)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 直腸癌 / S100A4 / 癌幹細胞ニッチ |
研究実績の概要 |
本年は、直腸癌組織でのNMⅡA/p53系抑制によるS100A4陽性癌幹細胞の可視化するため、 A①NCRT未施行の100例前後の外科的切除された直腸癌の臨床検体を免疫組織学的に検索する。A②in situ PLAで、簇出部でのS100A4、NMⅡA、p53の会合の検索。A③RT-PCR及びWestern blot assay:①の免疫染色結果を、新鮮材料を用いてmRNAおよび蛋白質発現レベルで検証。A④S100A4発現と直腸癌の臨床病理学的因子との関連性を検証。A⑤サイトカイン・キモカインアッセイ:臨床検体から間質細胞を分離・培養した培養液中に分泌されている液性因子を、サイトカイン・キモカインアレイキットで検索。同定した液性因子を大腸癌培養細胞やB-①②で作製したS100A4過剰発現・抑制系の培養液に加えて、S100A4依存性癌幹細胞化への影響を検証。A⑥上記液性因子の発現を病理組織標本上で検証し、簇出部との関連性からS100A4依存性癌幹細胞ニッチを可視化。について進めている。 A①では、NCRT未施行の100例前後の外科的切除された直腸癌の臨床検体の臨床病理学的因子のデータの調査、症例の病理組織標本を確認し、使用組織ブロックの選別と収集、免疫組織化学染色施行用の未染標本作製を進めている。また、A④S100A4発現と直腸癌の臨床病理学的因子との関連性を検証するため、直腸癌の臨床病理学的因子のデータの調査、症例の病理組織標本を確認し、使用組織ブロックの選別と収集を進めている。直腸癌培養細胞でのS100A4/NMⅡA/p53系による癌幹細胞化誘導の分子機構の解明のために用いる直腸癌培養細胞の培養、保存を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の研究計画に基づき、大腸癌と直腸癌の臨床病理学因子などのデータの調査、病理組織標本観察による実験に用いる病理組織ブロックの選択、病理組織ブロックからの未染色標本の作製、未染色標本の準備ができた症例からS-100A4、NMⅡA、p53の免疫染色施行を進めた。染色標本の評価、判定を行い、データの収集を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床検体による病理組織ブロックからの標本作製を進め、染色された標本の評価を行い、A①NCRT未施行の100例前後の外科的切除された直腸癌の臨床検体を免疫組織学的に検索する。A②in situ PLAで、簇出部でのS100A4、NMⅡA、p53の会合の検索。について、データを集積し、その後統計解析を行う。さらに直腸癌培養細胞でのS100A4/NMⅡA/p53系による癌幹細胞化誘導の分子機構の解明のため、B①各種遺伝子の発現ベクター及びpGL4Bにプロモーター領域を組み込んだベクターと大腸癌培養細胞を用いる。作製したベクターで、恒常的S100A4過剰発現系とshS100A4による抑制系を大腸癌培養細胞株で樹立。B②ルシフィラーゼ法:pGL4B-S100A4lucとNMⅡA, p53発現ベクターを大腸癌培養細胞にトランスフェクションし、S100A4転写活性に及ぼすNMⅡA/p53の関連性を検索。B③癌幹細胞化:恒常的S100A44過剰発現系およびS100A4抑制系大腸癌細胞で、癌幹細胞化をAldefluor法やSpheroid形成能の検索で判定する。また、癌幹細胞化マーカー発現を、mRNAおよびタンパク質レベルで検索する。併せて、NMⅡA及びp53ノックダウンによる癌幹細胞化への影響も検索する。B④アポトーシスと細胞増殖:B-①で作製した恒常的S100A4過剰発現・抑制系を抗癌剤で処理して薬剤感受性・耐性能をアポトーシスや増殖能の変化の観点から検索。と進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
染色用の試薬、備品の注文が予定より少し遅れたため。 昨年度注文予定であった試薬と備品を早急に注文し、揃え、本年度は予定通り、研究を行っていきます。
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