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2022 年度 実施状況報告書

リンパ球豊富型およびリンパ球減少型古典的ホジキンリンパ腫の発生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K06971
研究機関愛知医科大学

研究代表者

佐藤 啓  愛知医科大学, 医学部, 講師 (40732699)

研究分担者 鈴木 康裕  独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (90898016)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード古典的ホジキンリンパ腫 / PD-L1 / pSTAT6 / STAT6
研究実績の概要

古典的ホジキンリンパ腫(CHL)は病理組織学的に結節硬化型(NS)、混合細胞型(MC)、リンパ球豊富型(LR)、リンパ球減少型(LD)の4型に分けられている。前二者ではPD1/PD-L1経路を中心とした免疫逃避機構は腫瘍発生に深く関わっているのに対し、LRおよぶLDでは免疫逃避機構以外のメカニズムが腫瘍発生に関わっていると推測され、その発生機構を解明することを本研究の目的としている。
これまでにコントロール群であるNSおよびMC症例を35例収集し、免疫染色やTGFβのRNA scopeを適宜施行した。PD-L1、pSTAT6、STAT6が高率(順に85、70、70%)に腫瘍細胞に陽性であることを確認し、PD-1/PD-L1経路およびJAK/STAT経路がNSおよびMCにおいて腫瘍発生に重要な因子あることを免疫染色で確認することができた。この結果をもとにした派生研究として、組織診断時にCHLとの鑑別が問題となるHodgkin/Reed-Sternberg (HRS)類似の細胞(HRS様細胞)が出現するPeriopheral T-cell lymphoma (PTCL)とCHLの鑑別におけるこれらの免疫染色の有効性について検討した。CHLに比べPTCLに出現するHRS様細胞ではPD-L1、pSTAT6、STAT6の陽性率が有意に低く(いずれも9.6%)、両者の鑑別にこれらの免疫染色が有効であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

リンパ球豊富型(LR)、リンパ球減少型(LD)のCHL症例は稀であり、症例収集が当初の予定より遅れているため。

今後の研究の推進方策

リンパ球豊富型(LR)、リンパ球減少型(LD)のCHL症例の収集を完了し、免疫染色、RNA scope、遺伝子解析を順次進めていく。
またCHL症例を収集している過程で、Follicular lymphomaがtransformして発生するCHLが大変稀ながら存在することが判明した。Follicular lymphomaから発生したと考えられるCHL症例を集積し、その臨床病理学的特徴を明らかにしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

リンパ球豊富型(LR)、リンパ球減少型(LD)のCHL症例は稀であり、症例収集が当初の予定より遅れている。そのためLRおよびLD症例に行う予定であった解析にかかる費用が使用されなかったため次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額はLRおよびLD症例に対する解析を行うのに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The Immunology of DLBCL2023

    • 著者名/発表者名
      Takahara Taishi、Nakamura Shigeo、Tsuzuki Toyonori、Satou Akira
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 15 ページ: 835~835

    • DOI

      10.3390/cancers15030835

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Hodgkin/Reed-Sternberg様細胞の出現を伴うTFH細胞リンパ腫とHodgkin lymphomaの鑑別を考える2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤 啓
    • 学会等名
      第62回日本リンパ網内系学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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