研究課題/領域番号 |
22K06972
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
新井 富生 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20232019)
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研究分担者 |
石渡 俊行 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (90203041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 胃癌 / 高齢者 / マイクロサテライト不安定性 / PD-L1 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 遺伝子検査 / 免疫組織化学 |
研究実績の概要 |
胃癌の遺伝子検査の精度管理に関して検討した。胃癌は加齢とともにマイクロサテライト不安定性(microsatellite instability, 以下MSI)の割合が増加する悪性腫瘍の1つである。実際に本邦では、大腸癌とともにMSIを示す腫瘍の実数の多い腫瘍である。また、MSIを示す癌は免疫チェックポイント阻害剤の適応になりうるので、高齢者胃癌に対し侵襲の低い治療法として有力である。現在、MSIの判定には遺伝子検査、免疫組織化学的検査の2種類があり、遺伝子検査は衛生検査所に外注する医療機関が大部分である。そこで、院内で簡便に検査できるIdylla MSI testの精度について42例の胃癌症例を用いて検討した。長期保存したホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed paraffin-embedded, FFPE)組織からのDNAの精度も検討するために、2001年から現在までの症例を選択した。MSIの状態は、Idylla MSI testによる遺伝子検査結果と免疫組織化学による検査結果を対比し精度を判定した。42例中40例(95.2%)がIdylla MSI testと免疫組織化学検査で結果が一致した。2例はIdylla MSI testでMSI、免疫組織化学検査でMSIを示さないMSSと判定された。この2例をBAT25, BAT26を用いた他の遺伝子検査で検討したところMSIであった。これは4種類のミスマッチ修復遺伝子MLH1、MSH2、MSH6、PMS2以外の遺伝子変異に起因するMSIである可能性が示唆される。また、FFPE組織内のDNAの精度に関しては、42例中39例で解析が可能であった。残り3例(17年前の症例2例、16年前の症例1例)は、7種類のMSI判定マーカーのうちそれぞれ1マーカーについて解析が不能であった。しかし、MSIの判定自体には影響を与えなかった。従って、Idylla MSI testはFFPE組織であっても20年程度までは解析が可能であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度はマイクロサテライト不安定性を示す高齢者胃癌の検査法について検討した。概ね順調に研究は進んでいる。今後この研究成果を論文として発表するとともに、高齢者の早期胃癌の臨床病理学的特徴について検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度はマイクロサテライト不安定性を示す高齢者胃癌の検査法について検討した。今後この研究成果を論文として発表する予定である。また、高齢者の早期胃癌の臨床病理学的特徴について免疫組織化学的に検討し、どのような特徴を有する腫瘍が粘膜下層への浸潤を示すかなどを明らかにする予定である。さらに、高齢者の早期胃癌の90%以上は分化型癌であるが、進行とともに未分化型癌が増加する機序についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬のコストが軽減された影響で執行金額に余裕が生じた。
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