研究課題/領域番号 |
22K06977
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
星野 瞳 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90500710)
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研究分担者 |
小林 基弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (00362137)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ムチン / 硫酸化糖鎖 / 遺伝子発現ベクター / ウェスタンブロット / 免疫沈降 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、硫酸化糖鎖で修飾されたムチンコアタンパク質の胆管細胞における機能を明らかにすることである。令和4年度の研究実施計画は、硫酸化糖鎖のコアタンパク質と考えられたムチンXの遺伝子をクローニングして遺伝子発現ベクターを作製すること、さらに細胞株を用いたタンパク質発現解析を行うことであった。当初はムチンX cDNAを複数に分けて遺伝子増幅したのち、それらを連結させることで全長cDNAを入手する予定であった。しかしながら、市販のムチンX遺伝子発現ベクター入手することができたため、このムチンX遺伝子発現ベクターを使用して実験を行うことにした。まず始めに、ムチンX遺伝子発現ベクターに組み込まれたムチンX のオープンリーディングフレーム(ORF)の塩基配列を明らかにするため、シーケンスを用いて塩基配列の同定を行った。その結果、ムチンXのORFの約90%を解読したが、残り約10%の配列は繰り返し配列からなるタンデムリピート構造を含んでいることからプライマーが非特異的に結合し、シーケンスを困難にしている。次いでムチンXタンパク質の発現を確認するため、硫酸化糖鎖を発現するように遺伝子改変した細胞株および改変前の細胞株にムチンX遺伝子発現ベクターを遺伝子導入し、細胞破砕液から調製した総タンパク液と細胞培養上清を用いてウェスタンブロットを行った。ムチンXに結合させたタグに対する抗体でウェスタンブロットを行ったところ、総タンパク液から抗タグ抗体で検出されるバンドが確認されたが、タンパク質発現量が低かったことから、実験の条件の変更を行っている。免疫沈降に関しては、条件検討を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ムチンX遺伝子発現ベクターのシーケンス解析、タンパク質発現解析の進行に遅れが生じたため、令和4年度に実施予定であった免疫沈降は予備実験の段階にあり、成果の取得まで到達していない。遺伝子発現ベクターが有するムチンX遺伝子のORFの塩基配列を同定することは、今後の研究を進めるうえで重要であるが、ムチンX遺伝子にあるタンデムリピート構造がシーケンスを困難にしており、ORF全長の塩基配列を解読できていない。
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今後の研究の推進方策 |
ムチンX遺伝子のORFのシーケンスに関しては、さらに複数のプライマーを設計して引き続き、全長解読を試みる。またタンパク質の発現量を高めるため、遺伝子導入条件を変更したうえで解析を進めており、さらには別の遺伝子導入試薬を使用することも検討している。万が一うまくいかない場合には、ムチンX遺伝子発現ベクターを鋳型としてレンチウイルスベクターを作製し、遺伝子導入効率を上げることを考えている。胆管細胞由来の細胞株を用いた実験に関しては、当初の計画通りに進める予定である。
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