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2023 年度 実施状況報告書

大腸癌におけるmiRNA146bの制御分子の解析を基にした癌間質マーカーの同定

研究課題

研究課題/領域番号 22K06986
研究機関東邦大学

研究代表者

深澤 由里  東邦大学, 医学部, 講師 (90392331)

研究分担者 藤澤 千恵  東邦大学, 医学部, 講師 (10393000)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード大腸癌 / 癌間質
研究実績の概要

miR146b-5pの大腸癌癌間質における働きを検討するため、miR146b-5pのノックアウトSDラット(KOラット)と野生型SDラット(Wildラット)に1,2-dimethylhydrazineを皮下投与し、大腸癌を発生させた。観察期間をそろえ、KOラット、Wildラットいずれも15匹で検討したところ、KOラットでは全腫瘍数57個、Wildラットでは61個であった。それらの平均腫瘍径は4.6±2.4㎜、3.9±2.6㎜とKOラットの方がやや大きいものの有意な差をみとめなかった。深達度はおよび組織型についても両群に差をみとめなかった。
連続切片において、Masson-trichrome染色(MT染色)およびSirius-Red染色(SR染色)を施行し、癌間質について画像解析を施行した。MT染色において高い密度の膠原線維を示す濃い青色を指定し「高密度膠原線維」として間質における割合を算出したところ、KOラットはWildラットと比して「高密度膠原線維領域」の割合が有意に高いことがわかった(p=0.003)。また、SR染色において指定した黄色調領域を「低密度1型コラーゲン領域」、白色調領域を「高密度1型コラーゲン領域」、緑色調領域を「3型コラーゲン領域」として間質領域におけるそれぞれの面積の割合を算出した。KOラットはWildラットと比較して高密度1型コラーゲン領域」の割合が有意に高かった(p=0.037)。以上より、KOラットとWildラットは、大腸癌の癌間質の膠原線維の形成に差があり、そこにmiR146b-5pが関与している可能性が考えられた。今後、コラーゲンなどの免疫組織化学染色を施行し、癌間質の性質の違いなど詳細に検討していく。
ラットの腫瘍組織より初代培養線維芽細胞を得、単離された線維芽細胞を用いて、分子病理学的に解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

画像解析の方法を決定するのに想定以上の時間がかかってしまい、画像解析に遅れが生じた。また、腫瘍組織より初代培養細胞の樹立を試みているが、方法の検討に時間がかかり、また手技的な問題もあり、上手く培養細胞を得ることができず、想定以上の時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

培養手技に関しては、培養に熟知している研究分担者にアドバイスを仰ぎ、検討を重ね、練習することで解決できると考える。
発現解析などは外注することで、実験を先に進められると考えている。

次年度使用額が生じた理由

培養細胞の樹立ができなかったため、解析に関する費用を使用できなかったため、次年度に解析費用として持ち越す予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] miRNA146b-5pKOラットにおける大腸癌癌間質の病理組織学的検討2023

    • 著者名/発表者名
      深澤 由里
    • 学会等名
      第113回日本病理学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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