研究実績の概要 |
本研究は悪性中皮腫の分子病理学的手法を用いた診断法の開発と分子subtype特異的な中皮腫マーカーの同定を目指すものである。 悪性胸膜中皮腫症例(パラフィン切片)よりDNAを抽出し、ターゲットシーケンス(amplicon)を施行したが、ampliconシーケンスでは増幅が難しく十分なリード数得られない領域があった。リード数を得るためには1ラン当たりの件数を減らす必要があり非効率的であった。hybrid capture法によるターゲットシークエンスパネルを構築した。amplicon法では必要DNA量は5 ngであったが、hybrid capture法では50 ng必要であり、DNA量が得られた13症例の解析を施行した。amplicon法として比較してリード数のばらつきが少なく、より広い領域の解析が可能であった。BAP1の遺伝子変異が3例、NF2, TP53の変異が3例、SETD2の変異が2例, SETDB1, TERTプロモーター領域の変異が1例で検出された。BAP1の免疫染色で陰性5例中2例では変異は検出されなかった。胸水セルブロック検体や腫瘍細胞割合の低い生検検体などの小検体での解析可能であった。
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