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2023 年度 実施状況報告書

リコンビナント・インブレッド系マウスを用いた膠原病治療モデルの包括的ゲノム解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K06999
研究機関岐阜大学

研究代表者

宮崎 龍彦  岐阜大学, 医学部附属病院, 教授 (80239384)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード実験病理学 / 膠原病モデルマウス / リコンビナント・インブレッド系 / ゲノム解析 / 治療反応性
研究実績の概要

新規分子標的治療における「治療反応性を規定する遺伝因子」を膠原病モデル組換え近交系マウス(膠原病疾患ポリジーン系モデルMXH/lpr系)を用いて確定することを目的として、本研究を遂行している。確立した組換え近交系を用いるため、個体ごとに異なる反応の多様性を再現性をもって解析することが出来る系である。今年度は以下の研究を行った。
①Opn-インテグリン結合阻害タンパクによる治療プロトコールの最適化、②上記①およびシクロスポリン、ステロイドに加え、細胞性免疫抑制効果のあるFK506による治療反応性の詳細な解析。腎炎好発系であるMXH86, 100等のストレインに、Opn-インテグリン結合阻害蛋白、シクロスポリン、プレドニゾロン、若しくはFK506を、陰性コントロールとして生理食塩水を投与し、約2ヶ月間投与後にsacrificeして腎臓の組織学的スコアリング、血清マーカー(BUN, クレアチニン、CRP)の解析を行い治療効果について検証しながら投与プロトコールの最適化を進めた。また、投与中から尿蛋白の半定量解析を定期的に行った。③治療反応性の差異を規定する遺伝子座のマッピングに関して研究を進行した。また、全ゲノムシークエンスによる染色体地図の作成を進行した。遺伝子多型マップの作成にはかなりの時間を要することが判明したが、可及的速やかに作業を進行している。今年度は全ゲノムシークエンスの準備作業を進行させた。次年度に大規模に全ゲノムシークエンスを遂行する。また、使用する薬剤によって、治療反応性が異なり、治療反応性を規定する遺伝子が異なることが示唆されている。今後さらにゲノム全長のシークエンス解析を進め、遺伝子多型マップの完成を目指す。さらに、YM-155を用いた投与系の解析も開始し、それぞれの薬剤による治療感受性を規定する遺伝子多型の同定を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

全ゲノムシークエンスによる染色体地図の作成に予想以上に時間がかかっている。また、動物実験の一度に可能な匹数に限りがあり、やや遅れている。しかし、部分的には良い結果も得られており、成果の発表には問題ないものと考えられる。

今後の研究の推進方策

まずはOpn-インテグリン結合阻害タンパクとシクロスポリンおよびステロイド投与系のプロトコール最適化を先行して完成させ、さらに投与群各臓器病変の組織学的スコアリング、各系統の陰性コントロール群の組織学的スコアから投与群の組織学的スコアを比較することにより治療スコアを求めるとともに血清学的マーカーについても解析を進める。また、遺伝子多型マップの完成を待って、各遺伝子多型とフェノタイプの対比による詳細なリンケージ解析を行い、責任遺伝子多型の同定を目指す。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Dysregulation of ribosome-associated quality control elicits cognitive disorders via overaccumulation of TTC32023

    • 著者名/発表者名
      Endo Ryo、Chen Yi-Kai、Burke John、Takashima Noriko、Suryawanshi Nayan、Hui Kelvin K.、Miyazaki Tatsuhiko、Tanaka Motomasa
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 120 ページ: e2211522120

    • DOI

      10.1073/pnas.2211522120

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Comprehensive Genome profile testing in head and neck cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Kuroki Masashi、Iinuma Ryota、Okuda Hiroshi、Terazawa Kosuke、Shibata Hirofumi、Mori Ken-ichi、Ohashi Toshimitsu、Makiyama Akitaka、Futamura Manabu、Miyazaki Tatsuhiko、Horikawa Yukio、Ogawa Takenori
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 50 ページ: 952~959

    • DOI

      10.1016/j.anl.2023.04.006

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Expert perspectives on pathological findings in vasculitis2023

    • 著者名/発表者名
      Ishizu Akihiro、Kawakami Tamihiro、Kanno Hiroyuki、Takahashi Kei、Miyazaki Tatsuhiko、Ikeda Eiji、Oharaseki Toshiaki、Ogawa Yayoi、Onimaru Mitsuho、Kurata Mie、Nakazawa Daigo、Muso Eri、Harigai Masayoshi
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology

      巻: 33 ページ: 1~11

    • DOI

      10.1093/mr/roac043

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] クリニカルトピックス 膠原病治療モデル,リコンビナント・インブレッド系マウスの包括的ゲノム解析2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎龍彦
    • 雑誌名

      BIO Clinica

      巻: 39 ページ: 163-167

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リコンビナント・インブレッド系マウスを用いた膠原病治療モデルの包括的ゲノム解析2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎龍彦
    • 雑誌名

      別冊Bio Clinica: 慢性炎症と疾患

      巻: 12 ページ: 117-121

    • 査読あり
  • [学会発表] 組換え近交系マウス腎炎・腎血管炎治療モデルを用いた治療効果修飾遺伝子多型の解析2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎龍彦, 小林一博, 酒々井夏子, 松本宗和, 花松有紀
    • 学会等名
      第112回日本病理学会総会
  • [学会発表] 組換え近交系マウスMXHに観られる多彩な血管炎とその感受性因子について2023

    • 著者名/発表者名
      宮崎龍彦, 小林一博, 酒々井夏子
    • 学会等名
      第28回日本血管病理研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] VEXAS症候群の2例2023

    • 著者名/発表者名
      小林一博, 黒田隆弘, 松本宗和, 酒々井夏子, 宮崎龍彦
    • 学会等名
      第112回日本病理学会総会
  • [学会発表] プレドニゾロン内服とトシリズマブにより酸化ストレス値の低下を認めたVEXAS症候群の1例.2023

    • 著者名/発表者名
      戸崎 凪映, 太和田 知里, 丹羽 宏文, 大西 秀典, 加藤 あや香, 宮崎 龍彦, 岩田 浩明.
    • 学会等名
      第133回日本皮膚科学会総会
  • [図書] 組織細胞化学20232023

    • 著者名/発表者名
      宮崎龍彦
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      日本組織細胞化学会

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公開日: 2024-12-25  

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