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2022 年度 実施状況報告書

薬剤耐性プラスミドの複製・維持・接合伝達を制御する細胞マシーナリーとの相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 22K07052
研究機関群馬大学

研究代表者

久留島 潤  群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50636488)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード腸球菌 / 薬剤耐性 / プラスミド / 接合伝達 / レポーター
研究実績の概要

腸球菌(Enterococcus spp.)流行株の間で拡散している薬剤耐性プラスミドの動態を解析するための技術的基盤の整備を行なった。特にこれまで効率的な遺伝子組み換え技術がなかったEnterococcus faeciumにおいて効率的にmarker-lessのallele exchangeを行う組換え系の構築に成功した。この組換えでは従来でも用いられてきた温度感受性プラスミドが基盤となるが、本研究においてネガティブセレクション遺伝子を導入することにより、second crossing overが生じたクローンを選択することができ、大幅に実験期間ならびにスクリーニングのサイズを縮小することができた。また、外来的遺伝子発現カセットの最適化を行なった。腸球菌のRNA-seqデータより様々な発現強度を示すプロモーターを選択し、lacI遺伝子上流にクローン化した。一方、lacO配列を含むIPTG誘導性プロモーター下流に、蛍光レポーター遺伝子あるいは発光レポーター遺伝子をクローン化し、各カセットの発現制御を解析した。これまでに、非誘導時のベースラインが極めて低いものや、発現誘導時に高い発現レベルを達成できるものなど、使徒に応じて選択できる誘導系のコレクションが取得できた。一方、顕微鏡観察を用いた観察の結果、抗生物質などの外因的な選択圧によって選択ゲノムから独立して複製・維持されるシャトルベクターを用いた場合、上述の遺伝子カセットの発現が極めて不均一で、表現型の解析には不適であることが明らかになった。一方、染色体や大型プラスミドを含むゲノムへの発現導入では、外来的な選択圧を要することなく均一で安定な遺伝子カセットが導入されることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝学的技術の整備は進捗があるものの、未だ最適化の余地がある。

今後の研究の推進方策

より効率の良い遺伝子組み換え系として、改変した接合伝達プラスミドを利用した技術の開発を試みる。これによって、これまで数週間を要していた遺伝子組み換えが最短で1週間以内に完了できる。構築した遺伝子発現系を利用して、各種レポーター株の構築にとりかかる。また、各種オミクスによる網羅的な関連因子の探索を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定したいた研究計画に対して若干の遅れがあったため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Enterococcal Linear Plasmids Adapt to Enterococcus faecium and Spread within Multidrug-Resistant Clades2023

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto Yusuke、Suzuki Masato、Kobayashi Sae、Hirahara Yuki、Kurushima Jun、Hirakawa Hidetada、Nomura Takahiro、Tanimoto Koichi、Tomita Haruyoshi
    • 雑誌名

      Antimicrobial Agents and Chemotherapy

      巻: 67 ページ: na

    • DOI

      10.1128/aac.01619-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Advances of genetic engineering in streptococci and enterococci2022

    • 著者名/発表者名
      Kurushima Jun、Tomita Haruyoshi
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology

      巻: 66 ページ: 411~417

    • DOI

      10.1111/1348-0421.13015

  • [学会発表] Potential role of intact cell division on bacteriolysis by enterococcal plasmid-encoded Bac412022

    • 著者名/発表者名
      久留島潤
    • 学会等名
      第96回日本細菌学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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