• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

ネジウイルスの特異なRNA合成システム

研究課題

研究課題/領域番号 22K07088
研究機関九州大学

研究代表者

藤田 龍介  九州大学, 農学研究院, 准教授 (70553775)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードネジウイルス / サブゲノムRNA / RdRp
研究実績の概要

本研究の目的は, ネジウイルスという新奇性の高いウイルスについて, 感染・増殖の基盤となるRNA合成メカニズムを解明し, ひとつのモデルとして確立することである. ネジウイルスは他のウイルスの RNA複製酵素 (RdRp) の機能では説明できないタイプのRNA合成を行っており, この詳細を解析す ることで, ウイルスが発展させてきた多様な分子機能の新たなる一面が明らかにすることを目的としている。本研究ではまず、ネジウイルスの持つ特異なサブゲノムRNA合成の方法について解明すべく、合成RNAを用いたレポーターアッセイシステムを構築することとした。
ネジウイルスは感染細胞の中で、ORF2およびORF3をコードするサブゲノムRNAを生成するが、それぞれのサブゲノムRNAの鋳型となる対応したRNAは存在せず、鋳型はゲノムの逆鎖RNAであると考えられている。そこで、ネジウイルスの1種であるブストスウイルスを用いて、ORF2、ORF3をコードするサブゲノムRNAの5´末端の配列を基準に、逆鎖の配列を10ー60塩基持つ、領域の異なる配列をそれぞれ合成し、これにレポーターとなるLuciferase遺伝子を融合したRNAを合成した。この際、鋳型鎖RNAの3´末端へのポリAの付加、ならびに5´末端へのキャップの付加を行い、それぞれの修飾を持つRNAの細胞 (ヒトスジシマカ由来C6/36細胞) への導入を行った。今後はこれらの鋳型レポーターRNAを用いたウイルス感染細胞内でのサブゲノムRNAの合成能比較を行い、サブゲノムRNA合成に必要な配列の同定を進める予定である。また本研究材料であるブストスウイルスとは別に、野外捕集蚊から新規のネジウイルスを同定することに成功したため、次年度以降に計画しているウイルス種間の配列保存性の機能比較に用いる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定ではサブゲノムRNAのレポーターシステムの構築に加え、細胞内で合成されるゲノムより大きなRNA (large RNA) の配列解析を行う予定であった。しかし、前段のサブゲノムRNAの合成と、細胞内への導入効率の確認と実験系の改善にやや手間取ったため、large RNAの解析がやや遅れている状況である。一方、ネジウイルス種間の比較の材料として、新規ウイルスの同定に成功したため、3年目の計画に向けてはプラスとなる要素もあった。

今後の研究の推進方策

現在の進捗はやや遅れてはいるものの、当初計画から大きく逸脱するものではないため、予定に従って調査を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 福岡市西区における蚊の季節消長とそこで見られるウイルス叢2022

    • 著者名/発表者名
      藤田龍介, 日野真人, 永田康祐
    • 学会等名
      第74回 日本寄生虫学会 南日本支部大会 第71回 日本衛生動物学会 南日本支部大会 合同大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi