研究課題/領域番号 |
22K07091
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
三浦 未知 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70912369)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | HTLV-1 / 天然変性タンパク質 |
研究実績の概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルスHTLV-1はヒトに対して病原性を持つレトロウイルスである。主にTリンパ球に感染し、長い潜伏期間の後に白血病(ATL)や下腿の麻痺(HAM)などを発症させる。病原性に重要なウイルスタンパク質の一つがTaxであり、Taxは多様な宿主因子と相互作用するが、Taxの立体構造は不明である。我々の興味はTaxが多様な宿主因子と相互作用するメカニズムである。今年度はTaxの組み換えタンパク質の発現と精製を行い、in vitroにおけるTaxの性質について調べた。標準的な生化学的条件においてTaxは不溶性であり、可溶化にはGSTなどのタグタンパク質が必要であった。カラムからの溶出やプロテアーゼによるタグタンパク質の切断が標準的な方法ではうまくいかず、工夫を要することが分かった。Taxはin vitroで解析するには扱いにくいタンパク質であるが、裏を返せば非常に興味深い性質を持つと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
扱う組み換えタンパク質が可溶化せず、工夫に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
タグタンパク質無しでTax複合体を可溶化し、溶液中におけるTax複合体の構造解析を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究において技術的に工夫を要する部分が生じたため、その対応に時間を要し、今年度の研究費に残額が生じた。翌年度は研究の進展が見込まれるため、この残額は翌年度の請求額と合わせて効率的に使用される予定である。
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