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2023 年度 実施状況報告書

ベータコロナウイルスの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K07093
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

田原 舞乃  国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (10572109)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードコロナウイルス / SARS-CoV-2
研究実績の概要

脂質代謝に影響を与える約30 種類の薬剤や化合物の抗SARS-CoV-2活性を解析した。その結果、核内受容体PPARγを阻害する薬剤 が、SARS-CoV-2に強い増殖阻害効果を発揮することが明らかとなった。また、SARS-CoV-2と同じベータコロナウイルス(β-CoV)に属するヒトコロナウイルスHCoV-OC43に対しても増殖阻害効果を示した。次にその類縁化合物を約10種入手し、β-CoV増殖阻害効果を解析したところ、同様の効果を示すものは無かった。この薬剤の作用は多岐にわたるため、その効果が脂質代謝への影響によるものであるかは、現在のところ不明である。今後、類縁化合物の結果とRNA複製小胞形成への影響、ウイルス増殖の抑制点などの解析から、β-CoV増殖阻害機構を明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までにおよそ30種類の薬剤と化合物を解析した結果、β-CoV増殖阻害を示す1種の薬剤を得ている。これまでに抗CoV薬は複数報告されているが、阻害機構
が明らかになっていない薬剤も多い。本研究で既に得ている1種の薬剤についても、そのβ-CoV増殖阻害機構の解析は十分でない。SARS-CoV-2のSタンパク質を持つ狂犬病ウイルス、VSV、センダイウイルスを作成して実験を行う。作成したウイルスを用いてワクチン接種者血清、感染患者血
清、単クローン抗体(単独およびカクテル)からのエスケープ解析を行い、どのようなアミノ酸変異がSタンパク質の性質の変化を引き起こすのか明らかにす
る。

今後の研究の推進方策

SARS-CoV-2のSタンパク質を持つ狂犬病ウイルス、VSV、センダイウイルスを作成して実験を行う。作成したウイルスを用いてワクチン接種者血清、感染患者血
清、単クローン抗体(単独およびカクテル)からのエスケープ解析を行い、どのようなアミノ酸変異がSタンパク質の性質の変化を引き起こすのか明らかにす
る。

次年度使用額が生じた理由

年度末納品等にかかる支払いが、令和6年4月1日以降となったため。
当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和5年度分についてはほぼ使用済みである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Generation of a photocontrollable recombinant bovine parainfluenza virus type 3.2023

    • 著者名/発表者名
      Okura T, Tahara M, Otsuki N, Sato M, Takeuchi K, Takeda M.
    • 雑誌名

      Microbiol Immunol.

      巻: 67 ページ: 204-209

    • DOI

      10.1111/1348-0421.13052

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] TMPRSS2によるSARS-CoV-2の活性化と変異株における変化2023

    • 著者名/発表者名
      竹田 誠1,2、岩田(吉河) 奈織子2、柿崎 正敏2、志和 希2、大倉 喬2、田原 舞乃2、福士 秀悦2、前田 健2、川瀬 みゆき2、浅沼 秀樹2、冨田 有里子2、高山 郁代2、松山 州徳2、白戸 憲也2、鈴木 忠樹2、永田 典代2
    • 学会等名
      第64回日本呼吸器学会学術講演会
  • [学会発表] 光制御可能な組換えウシパラインフルエンザウイルス3型の作出2023

    • 著者名/発表者名
      大倉喬1、田原舞乃1、大槻紀之1、佐藤守俊2、3、竹内薫4、竹田誠5
    • 学会等名
      第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会
  • [学会発表] SARS-CoV-2における懸念される変異株(VOCs)の性質解析2023

    • 著者名/発表者名
      柿崎正敏1、岩田 (吉河) 奈織子2、 志和 希2、大倉 喬1、田原舞乃1、福士秀悦3、前田 健4、川瀬みゆき1、冨田有里子5、高山郁代5、松山州徳5、白戸憲也1、鈴木忠樹2、永田典代2、竹田 誠1
    • 学会等名
      第69回ウイルス学会
  • [学会発表] マウスモデルを用いたSARS-CoV-2感染におけるTMPRSS2の役割についての解析2023

    • 著者名/発表者名
      岩田 (吉河) 奈織子1, 柿崎政敏2, 志和 希1, 大倉 喬2, 田原舞乃2, 福士秀悦3, 前田 健4, 川瀬みゆき2, 冨田有里子5, 高山郁代5, 松山州徳5, 白戸憲也2, 鈴木忠樹1, 竹田 誠2, 永田典代1
    • 学会等名
      第69回ウイルス学会

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公開日: 2024-12-25  

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