研究課題/領域番号 |
22K07131
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石田 英子 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (70563295)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | TLR受容体 / 自然免疫 / クライオ電子顕微鏡 |
研究実績の概要 |
自然免疫受容体Toll-like receptor (TLR) は、微生物の構成成分を認識して免疫反応を引き起こす。TLRは病原体の侵入を防ぐとともに生体の恒常性の維持にも深く関与しており、その活性化は時空間的に厳密に制御される必要がある。UNC93B1は複数回膜貫通型の膜タンパク質であり、主に核酸認識TLRと小胞体膜上で結合し、TLRのリガンド刺激に応じてこれらTLRをエンドソームへと輸送し、機能発現に関与することが知られている。近年、UNC93B1はエンドソームにおいてSolute carrier family (SLC) 29A3およびSLC15A4(それぞれグアノシンとヒスチジンのトランスポーター)と協同して核酸認識TLRの機能制御に関与するという知見が得られつつある。本申請課題では、エンドソームにおける核酸認識TLRの活性制御機構に関して、UNC93B1、およびSLCトランスポーターとのクロストークの構造基盤を解明する。 今年度は、UNC93B1-SLC複合体の試料調製方法の検討を行った。これまでの検討において、UNC93B1とSLC29A3あるいはSLC15A4を共発現させた時に、一方の発現量が高くもう一方が低くなるという問題があった。そこで2つの遺伝子をポリシストロニックに発現させることで、発現量が一致するよう検討した。また、界面活性剤で可溶化したサンプルとナノディスクに再構成したサンプルをともにクライオ電子顕微鏡で解析し、構造解析可能なサンプル調製方法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
UNC93B1-SLC29A3複合体およびUNC93B1-SLC15A4複合体についてミセル中の試料およびナノディスク再構成サンプルを得ることに成功したものの、クライオ電顕による構造決定には至らなかった。引き続き電顕用の試料調製方法の検討を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、UNC93B1/SLC29A3複合体、UNC93B1/SLC15A4複合体の構造解析に注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
クライオ電顕に関して、共同利用費や消耗品費を計上していたが、今年度は電顕測定および解析を共同研究先に行っていただいた。そのため、これら経費は0となった。 次年度から共同利用を申請する予定であることに加え、哺乳動物細胞系で発現培養させたサンプルの調製を精力的に進めるつもりである。そのために、種々の試薬類、培地、精製用カラムや電顕グリッドの消耗品費として使用する予定である。
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