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2022 年度 実施状況報告書

アディポカインによる胸腔脂肪組織自然Bリンパ球ニッチと気道免疫制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K07134
研究機関大阪大学

研究代表者

新庄 記子  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (60794039)

研究分担者 岡部 泰賢  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (50522124)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード脂質メディエータ / S1p / S1p受容体 / マクロファージ / B1細胞
研究実績の概要

胸腔免疫細胞ポピュレーションの特性を明らかにするため、フローサイトメトリーにより腹腔免疫細胞ポピュレーションとの比較解析を行った。また、主要なLipidメディエータの1つであるS1pの受容体S1pr5の欠損マウスを作製し、胸腔・腹腔それぞれの免疫細胞ポピュレーションへの影響を評価した。
胸腔・腹腔およびそれぞれの脂肪リンパ組織に局在する細胞の表面マーカーの発現パターンは高度に類似している一方、ポピュレーション分布には差が見られた。具体的には、胸腔総免疫細胞(CD45陽性細胞)当りのマクロファージおよびT細胞(CD4・CD8)数は、腹腔と比較して低いのに対し、Bリンパ球のうち特に自然免疫B細胞 (B1細胞)のみが腹腔と比較して同等であった。この結果は、胸腔では相対的にB1細胞リッチであることを示唆している。
S1pr5受容体欠損マウスにおいては総免疫細胞数が低下し、特にマクロファージとB1細胞の割合が低下する事がわかった。一方、T細胞(CD4・CD8)の細胞数には差は見出されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

フローサイトメトリーによる胸腔・腹腔脂肪組織の免疫細胞ポピュレーション解析は順調に進んだが、当初予定していた遺伝子改変マウスの作製が滞り、予定通り進められない状況となった。
一方、関連遺伝子であるS1pr5(脂質メディエータ受容体)の欠損マウスにおいて、胸腔・腹腔脂肪組織の免疫細胞ポピュレーションに影響が認められた。

今後の研究の推進方策

S1pr5(脂質メディエータ受容体)欠損マウスにおいて認められた胸腔・腹腔免疫細胞ポピュレーションの変動は、胸腔・腹腔免疫のホメオスタシスに脂肪組織由来シグナル、特にS1pとその受容体S1pr5を介したシグナルが重要であることを示唆している。今後は、(1) 胸腔・腹腔免疫細胞ポピュレーションにおけるS1pr5発現パターンの解析、(2) 感染・組織損傷に対する免疫応答モデルを使用した免疫応答解析を行い、胸腔・腹腔の様々な生体防御応答においてS1pr5が果たす役割を解明する予定である。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子改変マウスの作製が進まず、予定通りの解析へ進めなかった。この分は今後プロジェクト内容の変更に伴い発生する解析費用に当てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Editorial: The Relationships Between Infectious Agents and Dementia2022

    • 著者名/発表者名
      Too Lay Khoon、Hunt Nicholas H.、Shinjyo Noriko
    • 雑誌名

      Frontiers in Cellular Neuroscience

      巻: 16 ページ: 831374

    • DOI

      10.3389/fncel.2022.831374

    • オープンアクセス
  • [図書] 命の調べのダンス2023

    • 著者名/発表者名
      デニス・ノーブル、新庄 記子、木村 純子、山岡 傳一郎、黒木 幹夫
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      978-4788518117

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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